2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the chromosomal dynamics during meiosis using CRISPR/Cas system
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16J03195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 靖浩 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 精原幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度の研究実施状況は、主に培養精原幹細胞への染色体標識システム導入の検討である。28年度および28年度の繰越研究から、従来のプラスミドベクターを利用した場合、エレクトロポレーション法の効率を上げことが困難であることが明らかとなった。また、Prophase前期の細胞への遺伝子導入効率は極端に悪く、遺伝子導入できる時期はProphase後期に限られることが明らかとなった。減数分裂を通して染色体動態を詳細に解析することは重要であるが、考えうる限りの条件検討を行ったが改善は見られることはなかった。そこで、培養及び遺伝子導入が比較的簡易な減数分裂が開始する前の発生段階の生殖細胞である精原幹細胞(SSC)を用いることを検討した。SSCの培養は、所属研究室ですでに確立されているだけでなく、SSCは減数分裂への誘導因子であるレチノイン酸を添加することで減数分裂期の細胞をin vitroで得ることができる。しかし、培養条件下において減数分裂への誘導後に進行できる発生段階は、限定的であることが知られている。そこで、現在所属研究室で行われている培養条件下で、SSCにレチノイン酸を添加し、減数分裂のどの段階まで発生が進行するかを調べた。その結果、レチノイン酸単体を添加するのみでは、SSCは減数分裂に進行するものの、減数分裂のごく初期の段階の細胞しか観察されないことがわかった。レチノイン酸添加後数日たっても、観察される細胞の発生段階に変化が見られないため、減数分裂開始後、ごく初期の段階で発生を停止していることが明らかとなった。従って、培養条件の再検討が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定外の所属研究室の閉鎖に伴う作業、さらに所属研究室の異動による研究環境の変化により、本年度は予定していた通りの十分な進展が見られない結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、SSCの培養条件の検討が必要である。近年、当該研究は世界中の複数の研究グループによって研究されており、減数分裂の進行を誘導できる培養条件が複数報告されている。そうした報告をもとに培養条件の検討を行っていく。減数分裂の進行に一定の改善が見られれば、染色体標識システムに必要な因子(dCAS9、GFP-PUMILIO、gRNA)を発現させる塩基配列をSSCゲノムに組み込むことを試みる。上記の因子の導入が難しい場合、代替案として酵母の研究で染色体の標識に利用されている大腸菌由来配列のlacO-lacIをSSCに導入することを検討する。
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Research Products
(1 results)