2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16J03226
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
横倉 諒 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 超対称性理論 / 低エネルギー有効理論 / 高階微分相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、4次元超対称性理論における高階微分相互作用の研究を行った。超弦理論の低エネルギー有効理論として4次元超重力理論を考える場合、理論にはくりこみ不可能な2階よりも高階の時空微分を含む相互作用が存在し得る。高階微分相互作用が理論に含まれる時、この相互作用によって不安定になる場合がある。幸いこのような不安定性が生じないための十分条件が知られている。理論の安定性は現実的な模型を構成するために重要であるため、本研究課題である超弦理論の有効理論としての超重力理論を議論する際にも、この条件を満たす理論を一般的に構成すること、そしてこの安定な高階微分相互作用を理論に取り込んだ時に、どのような物理的帰結が得られるかを解明することが望まれる。本年度は、超重力理論で議論する前段階として、より単純な重力を含まない超対称性理論の枠内で議論した。 本研究ではまず、物質場の高階微分相互作用を含む超対称性理論で、超対称性を自発的に破る準安定な真空を構成した。ここでは、先行研究で知られていたスカラー場の高階微分相互作用の一般形から構成した模型を用いた。この模型において複素スカラー場の位相が空間的に振動する運動方程式の解を見出し、この解がエネルギーの極小値を与えることを示した。さらにこのエネルギーの極小点周りでのゆらぎや、超対称性の破れを議論した。 次に、高階微分由来の不安定性が生じない超対称な電磁気学の高階微分を含む一般的な作用を導いた。理論にローレンツ対称性、U(1) ゲージ対称性、超対称性を課し、前述の高階微分由来の不安定性が生じないための十分条件を電磁場に要求することで、これらの対称性と安定性の十分条件を満たす作用の一般形を導いた。本研究により、超重力理論において電磁場を含む有効理論を構成することが可能になる。それにより、超弦理論の有効理論としての超重力理論の解明の進展が期待される。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)