2018 Fiscal Year Annual Research Report
マスト細胞を標的とした次世代型プロバイオティクス開発に向けた基礎研究
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16J03241
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
笠倉 和巳 東京理科大学, 基礎工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | マスト細胞 / 腸内共生菌 / 短鎖脂肪酸 / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、腸内共生菌の代謝産物である短鎖脂肪酸、特に吉草酸と酪酸がマスト細胞の機能を抑制すること、またその抑制にはエイコサノイドが関与することを明らかにしてきた。 そこで、最終年度は、吉草酸により合成・分泌が誘導され、マスト細胞の機能を制御し得るエイコサノイドの同定を目指した。COX-1および-2の選択的阻害剤を用いた解析により、COX-1が吉草酸によるマスト細胞の機能抑制に寄与することが示された。また、アラキドン酸を基質としてCOXにより合成される脂質メディエーターの1つであるプロスタグランジンE2(PGE2)にマスト細胞の脱顆粒抑制作用を見出したことから、PGE2の受容体であるEP3のノックダウンによる効果を解析した。その結果、EP3をノックダウンしたマスト細胞では、吉草酸と酪酸による脱顆粒抑制効果が部分的に打ち消された。また、吉草酸、酪酸のマスト細胞の機能抑制に対する新たな作用点として、IgE受容体(FcεRI)の発現抑制があることを発見した。さらに、2年目に吉草酸でのみ実施した、全身性アナフィラキシーによる評価系で酪酸の効果を解析したところ、吉草酸よりもアナフィラキシー抑制効果が観察された。吉草酸と酪酸のマスト細胞への効果の相違点の1つとして、酪酸はIgE-FcεRI依存的脱顆粒に加えて、カルシウムイオノフォアによる脱顆粒も抑制することから、カルシウム流入以降の経路も抑制することが考えられた。 以上のことから、3年間でマスト細胞の機能を制御する短鎖脂肪酸を見出し、その作用経路と作用メカニズムの一部を明らかにすることができた。短鎖脂肪酸は腸内共生菌が食物繊維などを資化する際の副産物として産生されることから、今回見出したアレルギー抑制に関わる短鎖脂肪酸を産生する腸内共生細菌を同定し、効率的に増加させるプロバイオティクスやプロバイオティクスの開発が今後の課題である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Immunosuppressive effect of a non-proteinogenic amino acid from Srreptomyces through inhibiting allogeneic T cell proliferation.2019
Author(s)
Yashiro T, Sakata F, Sekimoto T, Shirai T, Hasebe F, Matsuda K, Kurosawa S, Suzuki S, Nagata K, Kasakura K, Nishiyama M, Nishiyama C
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Journal Title
Biscience, Biotechnology, and Biochemistry
Volume: 83
Pages: 1111-1116
DOI
Peer Reviewed
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