2017 Fiscal Year Annual Research Report
光共振性能に及ぼすサブサーフェスダメージの影響解明による高Q値微小光共振器の開発
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16J03359
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
水本 由達 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 微小光共振器 / 超精密切削 / 単結晶蛍石 / 結晶異方性 / サブサーフェスダメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では単結晶蛍石の超精密加工における加工特性解析,サブサーフェスダメージの低減ならびに除去法の開発に取り組み,従来の性能を超える微小光共振器開発を目的としている. 最終年度である平成29年度は当初の計画通り, 1サブサーフェスダメージと光の共振現象の関連性解析 2微小光共振器性能の最適化 に取り組んだ. 1に関しては,サブサーフェスダメージ除去のため,切削加工した蛍石側面に対し前年度用いたナノオーダ非接触研磨法であるノズル型EEM(Elastic Emission Machining)を施し,被削材加工面下の材料転位状態を観察した.切削加工後の加工表面下には10~30nmほどのダメージ層が存在するのに対し,研磨した加工表面下にはほとんどダメージ層がなかった.これはEEMにより,材料表面下にダメージが除去されたことを示唆している.また切削により作製した微小光共振器に対しEEMを施したところ,切削加工後には10の6乗オーダだった共振性能(Q値)が7乗へと向上した.EEMにより加工表面の切削痕及びサブサーフェスダメージを除去したことで,光の表面散乱損失,材料吸収損失が低減されたと考えられる.2に関しては,共振器部分の形状を変えることで,共振性能の形状依存性について実験的に評価した.具体的には共振器断面形状を三角形型,台形型,円形型と変えて共振性能を測定したところ,Q値は10の5乗から6乗のオーダで変化し,三角型にした際に最も共振性能が高くなった.これは断面形状を三角形にすることで共振器先端が鋭利になり,光が共振器の内側に閉じこもることで表面性状の影響を受けにくくなるからであると推察される.以上,2年間を通して,当初の目的である光共振性能に及ぼすサブサーフェスダメージの影響を明らかにし,微小光共振器を高Q値できる可能性を確認できた.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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