2016 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子の空間分布制御を実現する新規粒子配列体の創成
Project/Area Number |
16J03375
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 花奈子 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | ナノ材料 / ラトル型粒子 / 可動性コア / 電場応答性 / 粒子配列体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、粒子内部の配列構造を外場(電場または磁場)によって制御することができる新規粒子配列体の創成を目的としている。粒子配列体の構成要素としては、中空粒子内部に可動性コアを内包したラトル型粒子を用いる。本粒子形態であれば、コアとして外場応答性に優れる粒子を選定することで、外場のON/OFFで粒子内部のランダム分布⇔規則構造を可逆的に制御することが可能になる。さらに、印加する外場の周波数や強度によって粒子内部構造の多様化も期待できる。 本年度は、数十ナノメートル程度でも電場に応答すると報告されている球状金ナノ粒子を新たな内包コアとして選定し、その電場応答性評価およびラトル型粒子の合成手法の検討を行った。まず、数十ナノメートル領域で粒径の異なる金ナノ粒子を合成し、コアとなる金ナノ粒子の電場応答性の確認を行った。水中に分散させた金ナノ粒子に対し種々の周波数条件で交流電場を印加したところ、低周波数領域で粒子が優れた応答性を示すことを確認した。さらに、その応答条件は金ナノ粒子の粒径に依り変化することも分かった。 次に、金ナノ粒子を中空シリカ粒子内に内包したラトル型粒子の合成手法を検討した。高分子修飾剤で粒子表面を保護し、粒子内部のみを選択的に除去することで目的の粒子合成プロセスの検討を行った。高温熱処理を行わない完全ウェットプロセスにより、粒径150 nm程度の中空シリカ粒子内に金ナノ粒子を内包したラトル型粒子の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の到達目標であった、金ナノ粒子を内包したラトル型粒子の合成手法を確立した。本プロセスは中空粒子表面を高分子修飾剤で粒子表面を修飾し、粒子内部のシリカ成分のみを選択的に除去(エッチング)することで中空粒子内に金ナノ粒子を内包したラトル型粒子を得る手法である。本研究では外場を用いて内包金ナノ粒子同士を接近させ、光学特性やセンシング特性を取得することを目標としている。そのため、外殻となるシリカシェル厚を制御することが求められるが、本手法であればエッチング時間や温度条件を変化させることでシェル厚の制御が可能である。また、金ナノ粒子間のプラズモンカップリングを利用した特性の発現には、シェル厚だけでなく金ナノ粒子のサイズも影響する。目的の粒子設計を行うために、本年度から計算機を導入し、数値計算を用いたナノ粒子間相互作用の評価も開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
数値計算により理論的に設計したシリカシェル厚、および内包金ナノ粒子サイズのラトル型粒子の合成に取り組む。さらに、合成した粒子において内包金ナノ粒子の可動性を評価する。微小領域をウェット状態で観察できる顕微鏡等を活用し、内包コアがシェル内(閉空間)においてブラウン運動できるかを観察実験で調べる予定である。また、ラトル型粒子を規則集積させた粒子配列体に対して電場印加実験を行い、内包金ナノ粒子が応答性を示す条件を見出す。将来的には、粒子配列体の内部構造変化が光学特性やセンシング特性に与える影響を定量的に評価する。
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Research Products
(6 results)