2016 Fiscal Year Annual Research Report
結び目、力学系及び一般化された岩澤理論の三位一体的研究
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16J03575
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丹下 稜斗 九州大学, 数理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 数論的位相幾何学 / 岩澤理論 / 結び目理論 / L-関数 / Selmer群 / ねじれAlexander不変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
素数と結び目の類似に基づく, 数論と3次元位相幾何学の新しい類似の枠組みである, 数論的位相幾何学について研究している. 特に, 一般化された岩澤理論と結び目理論の関係について, 力学的な視点も含めて追究している. 1. 結び目群の表現の変形理論. 森下昌紀氏, 北山貴裕氏, 寺嶋郁二氏との共同研究において, 数論におけるGalois 表現の変形理論をもとに, 結び目群の表現の普遍変形に付随するL-関数を導入し, その性質を調べた. これはMazur が有名な論説に21 世紀の数学の問題として挙げた研究課題と密接に関係しており, 実際, 私は様々な具体例に対してこの L-関数の零点の位数を計算し, Mazur の問題の肯定的な解決を与えることができた. さらに, 数論におけるSelmer 群の類似をもとに, 結び目群の表現に付随するSelmer 群を導入し, 具体的な計算方法を与え, 最も簡単な双曲結び目である8の字結び目のホロノミー表現に対して非自明となる例を構成することができた. また, この他の結び目や高次元の表現に対する具体的計算をもとに, 我々の導入したL-関数は結び目理論においてすでに知られている不変量と関わることを予想することができ, 数論におけるL-不変量の類似についても結び目理論で考察することができた. 2. ホモロジー群の増大公式. 結び目群の表現に付随する局所系係数ホモロジー群の増大公式について, すでに知られている Silver--Williams らによる力学系を用いた結果を, 結び目の不変量であるねじれAlexander 不変量と数論で扱われるノルムを用いることによって拡張することを考察した. また, 植木潤氏との共同研究において, 結び目補空間の非可換被覆におけるホモロジー群の増大公式についても考察し, 証明の方針を立てた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
結び目群の表現に付随するSelmer 群が非自明となる具体例を構成することにかなりの時間を費やしてしまったため.
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Strategy for Future Research Activity |
L-不変量の結び目理論における類似と具体例についてはおおよそ見当がついているため, あとは応用について追究していきたい. 結び目群の表現に付随する局所系係数ホモロジー群の増大公式の拡張については論文の執筆を仕上げる予定である.
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Research Products
(1 results)