2016 Fiscal Year Annual Research Report
環状アミノ酸の特性を活用する機能性フォールダマーの精密設計
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16J03592
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
江藤 諒 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 非天然型アミノ酸 / ヘリックス / ペプチド / 膜透過ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、環状ジ置換アミノ酸の特性を利用して特定の二次構造を形成するペプチド(フォールドマー)の創製を行い、その二次構造解析を行うこと、およびヘリカルペプチドを不斉有機分子触媒や細胞膜透過性ペプチドに応用することを目的とした。以下項目ごとに詳細を記述する。 1.ヘリカル二次構造の巻き方を制御するためにはどのような構造モチーフが有効であるか確認すべく、側鎖構造の異なる2種類の4員環状ジ置換アミノ酸を合成し、それぞれからなるホモペプチドをオクタペプチドまで合成した。これらのペプチドの二次構造解析を行った結果、溶液状態(トリフルオロエタノール中)においてはわずかに右巻きが優先したヘリックス構造を形成していることが判明した。更なる知見を得るべく、別の溶媒中での二次構造や結晶状態における二次構造解析を現在行っている。 2.側鎖にカチオン性官能基を有する5員環状ジ置換アミノ酸cucurbitinの両エナンチオマーの不斉合成法の開発を行った。本合成法は比較的短工程であり、グラムスケールの合成にも適応可能であった。また、合成したS体のアミノ酸からなるホモペプチドをオクタペプチドまで合成した。溶液状態(トリフルオロエタノール中)での二次構造解析を行った結果、左巻きが優先したα-ヘリックス構造を形成していることが判明した。また、3残基毎に1残基ジ置換アミノ酸を含むヘテロノナペプチドを合成した。今後は合成したペプチドの細胞膜透過性について評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4員環状ジ置換アミノ酸2種、および5員環状ジ置換アミノ酸1種のホモペプチドをそれぞれオクタペプチドまで合成しており、今後は合成したペプチドの二次構造解析を中心に研究を行う。 また、膜透過性ペプチドへと応用可能なヘテロペプチドの合成も行っており、今後細胞実験により膜透過性機能の評価を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
合成したホモペプチドの二次構造解析、カチオン性官能基を有するジ置換アミノ酸含有ペプチドの細胞膜透過性ペプチドとしての応用研究について研究を行う。 また、5員環状ジ置換アミノ酸cucurbitinを含有するペプチドを有機分子触媒として応用できるか検討する予定である。
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Research Products
(3 results)