2017 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト・モノ・コトのメディア性に着目した地域コミュニティデザインの研究
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16J03602
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
木村 公哉 同志社大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 地域コミュニティ / コミュニケーションメディア / ICT / アウェアネス / 地域活性化 / スマートフォン / 住民主体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「ICTを活用し,住民のアウェアネスを促進することで,住民主体の地域活性化は可能か?」を解明することで地域課題発見のサイクルを構築し,住民主体の地域コミュニティデザイン法を確立することである.本研究の目標を達成するために,本年度は平成28年度の実験結果を活かし,「収集データの分析・考察」「データ収集用スマートフォンアプリケーションの大規模改修」「関係性媒介機能モデルの精緻化に向けた分析」を行った. これまで収集した「GPSなどによる位置情報」を分析した結果,住民がよく居た場所を密度分布で可視化することができた.そして,この分析結果をまとめ,コミュニケーションが活発な場所(メディアスポット)を導出し,その場所を示す「メディアマップ」を作成することができた.また,「Bluetooth Low Energyによる端末間のすれ違い情報」を分析した結果,人々のつながりの時系列変化を確認できた. 分析の過程で,データの分析による地域課題の発見よりむしろ,自発的に発信されたデータの共有による行動変容の促進が地域活性化を促し,地域課題の発見に寄与すると予備的に観察することができた.そこで,データ収集用アプリケーションをデータの発信・共有・可視化に対応させるための大規模な改修に着手した. また,取得したデータを活用して,平成28年度にマルチエージェントシミュレーションによって構築した関係性媒介機能モデルの精緻化を進めるために、実データと比較しながら分析を行った.シミュレーション結果と取得データを用いて導出した実際の地域における結果を比較した結果,一部の結果で近似を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に実施予定であった研究課題は具体的に「データ収集用スマートフォンアプリケーションの改良」「収集データのパネルデータ分析」「関係性媒介機能モデルの精緻化」の3点であった.これらいずれも着手し,研究目的を達成するためのより有効なアプローチを検討することができた.さらに,本年度の成果は学術雑誌や学会発表としてまとめることができたため,この区分を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度についても本年度の知見を生かしつつ,当初の研究計画に沿って研究を推進する.自発的に発信されたデータの共有による行動変容の効果を分析するために,データ収集・発信・共有・可視化のためのアプリケーションを用いた実証実験を行う.この実証実験の結果を本年度までの収集データを活用しながら分析する.マルチエージェントシミュレーションによって構築した関係性媒介機能モデルの精緻化については,コブダグラス関数を用いた行動ルールの改良を行い,実データとの比較分析を行う.これらの結果を基に,地域活性度を再定義し,この妥当性について考察する.
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