2017 Fiscal Year Annual Research Report
修飾血清タンパク質による炎症誘導機構の解明と食による制御に関する研究
Project/Area Number |
16J03684
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 史恵 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | タンパク質 / 血清アルブミン / 酸化修飾 / ホモシステイン / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質異常症患者血清より単離した酸化型血清アルブミンのS-チオール化修飾部位を解析した結果、これまで酸化修飾の唯一のターゲットと考えられていた遊離のCys34のみならず、分子内ジスルフィド結合を形成しているCys90やCys101、Cys392、Cys487などのシステイン残基もS-チオール化修飾を受けていることが確認された。システイン残基のS-チオール化修飾について更なる解析を行うため、血中高ホモシステイン濃度を示すモデルマウスの血清を用いて検討を行った。その結果、Cys34のS-ホモシステイン化修飾に加え、分子内ジスルフィド結合を形成しているシステイン残基であるCys101や Cys265においてもS-ホモシステイン化修飾が確認された。以上の結果から、遊離のシステイン残基だけでなく、分子内ジスルフィド結合を形成しているシステイン残基もS-チオール化修飾を受けていることが明らかとなり、これらの修飾が血清アルブミンの機能や活性を変化させ、炎症誘導に関与することが予想された。 また昨年度までの検討により、血清アルブミンはS-ホモシステイン化修飾により炎症誘導活性を獲得することが明らかになった。そこでS-ホモシステイン化修飾血清アルブミン誘導性の炎症誘導メカニズムを解析した結果、S-ホモシステイン化修飾血清アルブミンは細胞膜ドメインである脂質ラフトの構造変化と、それに伴う上皮成長因子受容体のリン酸化の亢進および下流シグナルを活性化により炎症関連分子の発現を誘導することが明らかになった。 これまで血中のホモシステイン濃度と種々の疾病の発症率や死亡率の相関が報告されていたが、そのメカニズムは不明であった。本研究により、S-ホモシステイン化修飾血清アルブミンは炎症誘導活性を有することが明らかになり、この修飾血清アルブミンが種々の疾病発症に関与する可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)