2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing the science of dissemination and implementation: an evaluation framework for physical activity promotion
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16J03763
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
鎌田 真光 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 運動・身体活動 / 普及科学 / ポピュレーション戦略 / スポーツ振興 / 予防医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、身体活動促進に関する地域介入研究と橋渡し研究により、1.長期的効果(要介護化・死亡する人の率を地域レベルで抑制することが出来るか?)、2.費用対効果(費用対効果は良いと判断できるか?)、3.汎用モデル(様々な地域で利用できる汎用性の高い評価モデルはどのようなものか?)の3点を明らかにすることを目的とした。 研究開始1年目となる平成28年度は、まず、地域介入の長期効果・費用対効果に関するデータ・ベース整備を進めた。死亡・要介護等の把握については、対象者よりインフォームド・コンセントを取得済みであり、行政情報をもとに死亡・要介護認定状態の確認作業を行った。紙ベースの情報をもとに、調査対象者4,559人分の情報の電子化を進め、現在、2013年度までの4年分のデータ化が完了した。また、地域介入にかかった費用をこれまでの介入記録をもとに算出し、費用効果分析の準備を進めた。個々の介入費用を積み上げて算出するMicro-costingと、介入実施主体の運営全体費用などをもとに分割して算出するGross-costingの双方を検討した結果、人的エフォート率をもとにGross-costingを用いて費用算出するのが現実的と整理された。 また、当初は2年目以降の実施で計画していた橋渡し研究(汎用モデル構築)について、前倒しで準備を進めた。各地で行われている身体活動促進のプロジェクトを評価するための共通枠組みを、RE-AIM モデルを改変して作成し、論文を発表した。また、毎年100以上の自治体で計200万人以上が参加するスポーツイベント、チャレンジデーについて、その社会的インパクトをRE-AIMモデルを用いて評価する共同研究の準備を進めた。 なお、2016年4月から海外渡航しており、以上の研究は米国ハーバード大学公衆衛生大学院にて遂行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画1年目として、要介護・死亡および費用効果分析のためのデータ・ベースの整備を進めた。死亡・要介護認定状態の確認作業について、計画よりも時間がかかっているが、作業自体はスムーズに進行しており、他の並行プロジェクトも順調である。2年目以降の計画(橋渡し研究)について前倒しで準備が進められるなど、全体の計画としては問題ないと考えている。また、2016年4月より、研究を発展させるために海外渡航し、研究成果については米国スポーツ医学会、米国公衆衛生学会等で発表を行い、国際誌へ複数論文を投稿した。第19回日本運動疫学会学術総会では優秀演題賞を受賞するなど、全体として、期待通り研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降も、当初の計画通り研究を遂行する。1年目に引き続き、要介護・死亡等のデータ入力を進め、地域介入の長期効果を明らかにするためのデータベースを整備した後に、分析を行う。研究費として必要な人件費の支出を予定しており、問題なく遂行できると考えている。 橋渡し研究としては、まず、詳細なデータが利用可能な島根県雲南市の地域介入を対象として、平成28年度に開発した普及評価モデル(改変版RE-AIMモデル)でテスト評価を行う。その後、同様の評価枠組みに基づき、ポピュレーション(地域)レベルで身体活動の促進を行っている全国の自治体のプロジェクトを評価する。平成28年度の研究の進展により、全国から100を超える自治体が参加するスポーツ・イベント「チャレンジデー」の評価が可能となった。そのため、この事業の利用可能なデータを用いて、評価枠組みの詳細な項目の検討と、自治体での実施可能性の検討を進める。 全国から共同研究者が集まる学会の機会を利用して、会議の実施や関連情報の収集を図るとともに、必要に応じて現地での視察や介入戦略会議に参加する。また、自治体職員へのヒアリングを通して、既存データの利用など、自治体ですぐに実施できる評価項目、追加で調査が必要な項目の検討を行う。これにより、実施が容易で、かつ、公衆衛生上のインパクトを正確に評価できる項目を明らかにする。フィールド調査に必要な国内旅費の支出が必須となるが、便宜、インターネット会議等も活用する。
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Research Products
(6 results)