2017 Fiscal Year Annual Research Report
ギャップ結合を介したシグナル伝達の生理学的意義に関する薬理学的研究
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16J04170
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
宇津 美秋 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 特別研究員(PD) (20802896)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | コネキシン / がん / 薬物治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】本研究では、細胞間チャネルであるギャップ結合 (gap junction:GJ) ならびにその構成タンパク質であるコネキシン (connexin:Cx) の機能を介した生体恒常性維持の破綻と疾患との関係を、特に (1) がんおよび (2) がんに伴う悪液質に関して解明することを目的とした。
【研究実績】 (1) 悪性中皮腫細胞株H28より樹立したCx43強制発現株を用いたin vitroの検討により、Cx43がJNKの活性化を介してBaxのミトコンドリア移行を促進することでアポトーシスを引き起こすことを見出し、本研究成果を原著論文として発表した。さらに、本研究成果も含め、Cx43を介したシグナル伝達ががん細胞の増殖や転移に与える影響について、最新の情報も取り入れて総説としてまとめた。
(2) 本研究で用いるがん悪液質モデルは、ヒト胃がん細胞株85As2をBALB/c系ヌードマウス(♂、8週齢)の皮下に注入移植することで作製した。本モデルは細胞移植2週間後より悪液質症状(体重減少、摂餌量低下、骨格筋量減少および血漿中サイトカインの上昇)を認めることから、移植2週間後のマウスの脳を採取しメタボローム解析を行った結果、ATPやGTPが減少し、一方でATPやGTPの分解代謝物であるヒポキサンチンや尿酸の増加を認めたことから、プリン代謝が変化していることが示唆された。プリン代謝に関連するキサンチンオキシダーゼ活性は、コントロールと比較して1.8倍程度増加していた。さらに、視床下部中のアストロサイトマーカーの発現量がコントロールと比較して1.5倍程度の増加を認めたことから、アストロサイトが活性化していることが示唆された。アストロサイトはCx43を豊富に発現することから、今後アストロサイトの活性化に対するCx43の寄与を検討する予定である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] 立体的かつ構造改変が容易な創薬候補化合物群の探索-CellKeyアッセイシステムを用いて-2018
Author(s)
芦沢夏鈴, 梅本翔, 染谷僚人, 唐木文霞, 江藤萌子, 野中美希, 宇津美秋, 宮野加奈子, 平山重人, 藤井秀明,上園保仁
Organizer
第138回日本薬理学会関東部会
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[Presentation] 間葉系幹細胞の全身性投与は神経障害性疼痛を緩和する2017
Author(s)
池畑農, 宮野加奈子, 大島佳織, 吉田有輝, 隠岐勝幸, 白石成二, 野中美希, 宇津美秋, 吉澤一巳, 樋上賀一,上園保仁
Organizer
第137回日本薬理学会関東部会