2018 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷による核内チロシンリン酸化を介するアポトーシス抑制とがん治療への応用
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16J04363
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森井 真理子 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | チロシンリン酸化 / Src / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
チロシンリン酸化シグナルは、増殖・分化・生存などに関わっており、その異常はがん発生・進展・悪性化などの原因となっている。SrcやAblといった主要な非受容体型チロシンキナーゼは主に細胞質に存在することが知られているものの、一部は核内にも局在していることが報告されている。しかしながら、細胞質における機能に対し、核内における機能はほとんどわかっていない。本研究においては、核内におけるチロシンリン酸化基質の同定とその機能解析を詳細に行った。これまで、Ku70のチロシンリン酸化を見出し、530番目のチロシン残基のリン酸化による細胞死抑制機能を見出した。Src等のチロシンキナーゼはがんにおける高発現が見られており、がん悪性度との相関あることが報告されている。Src阻害剤処理により内在性Srcファミリーキナーゼを阻害した場合、Ku70のチロシンリン酸化は減弱し、細胞死が増加した。Ku70をノックダウンしたところ、Src阻害剤の効果は見られなくなったことから、Ku70はSrcを介した細胞死抑制において重要であることが示唆された。さらに、Src・Lyn・FynといったSrcファミリーキナーゼメンバーをシングルもしくはダブルノックダウンした場合においても同様の結果が得られたことから、細胞内において個々のSrcファミリーキナーゼメンバーが協調・補完して機能していることが示唆された。本研究により、チロシンリン酸化シグナルによる細胞死抑制機能を介したがん発生・進展の分子メカニズムが明らかになった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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