2016 Fiscal Year Annual Research Report
宿主ゲノム内に見つかったフィロウイルス遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
16J04404
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 達成 北海道大学, 獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | フィロウイルス / 内在性遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
FrESs遺伝子の人工合成および発現の確認:報告されているフィロウイルス由来と考えられる遺伝子配列(FrESs)の内、トビイロホオヒゲコウモリの遺伝子内に見つかっているエボラウイルスVP35遺伝子に相当性が高い領域(mlEEL35)を人工合成した。哺乳類由来培養細胞に強制発現させる系を確立し、発現した蛋白質の機能解析をルシフェラーゼレポーターアッセイおよびELISA法により行った。その結果、mlEEL35由来の蛋白質はVP35様の機能を部分的に有することが分かった。 新規FrESs遺伝子の探索およびクローニング:所属研究室が保有するコウモリ由来培養細胞および海外学術研究で捕獲したコウモリの臓器より核酸を抽出した。それらに対し、既存のプライマーセットを用いて、既知および新規のFrESs遺伝子の検出を試みたが、新規FrESs遺伝子は検出されなかった。既存のプライマーセットは、トビイロホオヒゲコウモリやオオクビワコウモリに特異的に作製されているため、今回対象となったコウモリ種に対しては、新たなプライマー合成を検討する必要がある。 FrESsの局在確認およびFrESsと相互作用する蛋白質の同定:蛋白質タグとの融合蛋白質となるようにmlEEL35発現ベクター構築し、抗タグ抗体を用いた蛍光抗体法により細胞内における局在を観察した。その結果、VP35同様に細胞質に局在することが分かった。現在、ウイルス蛋白質とmlEEL35が相互作用するかを免疫沈降法により解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、既知の内在性遺伝子(mlEEL35)を人工合成し強制発現させる系を確立した事ならびにmlEEL35の機能解析を行い、VP35の機能と比較できたこと。さらに、恒常発現細胞を作製にも着手しており、次のステップへの準備も始めていること。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの結果をまとめ、専門誌に投稿する準備を進めている。今後は、当初の予定通り、恒常発現細胞を作製し海外のBSL-4施設にてフィロウイルスを用いた実験を行う予定である。また、新たにプライマー合成を行いFrESs遺伝子は検出も継続して行う予定である。
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Research Products
(2 results)