2016 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロキシルラジカル型酸化触媒を利用した選択的アルコール酸化手法の開発研究
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16J04480
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古川 桂佑 名古屋大学, 創薬科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | アルコール / 選択的 / 酸化 / ニトロキシルラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者は、化学量論量のオキソアンモニウム塩がα-ヒドロキシ酸からα-ケト酸への化学選択的な酸化を効率的に進行させることに着目し、共酸化剤として酸素を利用する空気酸化条件 (NOx/O2) でのα-ヒドロキシ酸からα-ケト酸へ触媒的酸化手法を見出している。条件の最適化を行った結果、触媒としてAZADO、NOx源として亜硝酸ナトリウム (NaNO2) をアセトニトリル溶媒中で用いる条件において、最も効率的にα-ケト酸が得られることを明らかにした。基質適用性についての検討では、エステル、シリルエーテル、カルバメート、アルケン、アルキンなど様々な官能基に対する本反応の許容性を確認した。 これまでに報告されているニトロキシルラジカル触媒による空気酸化手法は、2級アルコールやベンジル位の1級アルコールの酸化には有効であることが知られているものの、脂肪族1級アルコールからアルデヒドへの酸化については、十分に検討がなされていない。この理由として、脂肪族1級アルコールの酸化ではカルボン酸への過剰な酸化の抑制が困難なことが挙げられる。そのため、アルデヒドからカルボン酸への酸化を抑制し、第1級アルコールから高選択的にアルデヒドを得る手法が確立的できれば、ニトロキシルラジカル触媒/NOxによる空気酸化反応の有用性を拡張できる。種々検討の結果、AZADOまたはnor-AZADOを触媒とし、NOx源に亜硝酸tert-ブチル (tBuONO) を用いた場合には、室温でも効率的に酸化が進行することを見出した。この際、カルボン酸の生成の抑制には後処理の際に系中を塩基性とすることが重要であることを明らかにし、本手法では、炭酸水素ナトリウム水溶液を添加することで1級アルコールからアルデヒドへの化学選択的な酸化を達成している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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