2017 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄炎感受性の新規遺伝的・免疫学的要因としてのHLA/KIR相互作用の解析
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16J04570
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
矢原 寛子 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2020-03-31
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Keywords | 顎骨骨髄炎 / HLA / KIR / 次世代シーケンサー / ハプロタイプ / 遺伝多型 / 希少疾患 / 自己免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫機構の破綻が原因と考えられる慢性顎骨骨髄炎について、疾病応答の多様性の要因と考えられる HLA遺伝子群の塩基配列およびKIR遺伝子群の遺伝子型を、ゲノム科学技術を駆使して同時に網羅的に決定し、両者の遺伝子型の組み合わせの観点から、罹患患者の遺伝的個体差を把握することを目指して研究を進めている。まず、全国的な共同研究のネットワークを構築し、倫理委員会の承認を得て、骨髄炎患者から18検体と、それと年齢・性別をできるだけマッチさせたコントロール18検体を収集した。同時に、次世代シーケンサーによるターゲットリシーケンスの方法に関して共同研究者と議論し、HLA33遺伝子+KIR17遺伝子について、KIRの各遺伝子座のコピー数を含めたハプロタイプの解析を初めて行った。現在、解析結果のデータの取りまとめと解析を進めて、健常人検体に比べて骨髄炎検体で有意に高頻度に存在し、疾患感受性と考えられる HLA/KIR の遺伝多型の組み合わせの同定を目指している。 更に、発展的な研究として、骨髄炎の口腔微生物叢に着目した研究にも取り組んだ。骨髄炎の免疫機構破綻と発症の引き金は微生物の侵入だと考えられているが、起因菌は未だ明らかでなく、先行研究は、細菌または真菌を別々に対象としたアンプリコシーケンシングに留まっていた。そこで、患者の唾液サンプル内に存在するすべての微生物叢とその内訳をショットガンメタゲノムシーケンシングにより把握し、骨髄炎に特徴的な微生物叢とその遺伝子機能や代謝能などを推定することを目指した。今年度は、この研究について新たに倫理申請を行い、承認を得ることができた。また、最近開発されたキットによって採取・保存した健常者の唾液10サンプルを用い、DNA抽出法の検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育児に伴い実質的な実験時間が以前より少なくならざるを得ない状況が続いているが、研究補助員を利用し、外注可能な作業は外注するなどして、概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、研究補助員を利用し、外注可能な作業は外注するなどして、育児と研究の両立に努力する。骨髄炎の遺伝的に背景に関する結果をまずは論文にまとめ投稿する。また、国際学会で成果発表を行う。
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Research Products
(2 results)