2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16J04621
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 隆寛 九州大学, システム情報科学府, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
|
Keywords | オンライン予測 / 機械学習 / 離散最適化 / 多腕バンディット問題 / ランキング |
Outline of Annual Research Achievements |
1.離散構造のオンライン予測問題に対して,効率的で汎用的なアルゴリズムの設計手法の研究に取り組んだ.昨年度までの研究成果として,良い予測アルゴリズムが設計可能である条件について,離散構造の決定空間に対し,射影および乱択ラウンディングが効率よく解けるような緩和空間を持つという条件を示した.今年度ではこの手法を拡張することを試み,以前の研究の汎用性を高める研究を行った.結果として,その条件を階層的な緩和空間に対する条件に緩めることができた.本手法の適用例として,オンライン制約付きスケジューリング問題がある.本研究成果は,学術雑誌に投稿予定である. 2.本問題の一般化である離散構造の多腕バンディット問題に対する効率的な予測手法の研究を行った.多腕バンディットとは,複数台のスロットマシンをプレイするギャンブラーをモデル化したものであり,ウェブ上の広告表示やネットワークルーティングといった問題に応用できることから,近年では盛んに研究がなされているものである.しかし,離散構造上での多腕バンディット問題に対する効率的な手法はほぼ存在しない.本研究では,その問題に対して,離散構造のオンライン予測手法とほぼ同等な損失の上界と計算効率を保証する手法の開発に取り組んだ. 3.部分ランキングのオンライン予測の研究を行った.ランキングのオンライン予測は,データ間の順位をオンラインで予測する問題であり,情報検索を始め,商品推薦システム,バイオインフォマティクス等,様々な応用分野をもつ.部分ランキングとは,複数個のアイテムに対して,上位一部のアイテム上のランキングを表したものであり,本研究はランキングのオンライン予測問題をさらに応用向けにしたものである.本問題設定に対する既存手法は存在するが,その手法にはまだ改良の余地が十分に残されており,その問題点に対する考察ついて,国内会議にて発表を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題申請時の研究目標として,平成28年度は,平成27年度までに推し進めてきた離散構造のオンライン予測に関する研究をさらに発展させることを目的としていた.その取り組みとして,効率的なオンライン予測手法を与える条件の緩和を行い,多腕バンディット問題への一般化を試みているので,テーマに沿って研究が進んでいるといえる.国際会議及び国際論文誌への投稿が該当年度においてなされていないが,現時点で意義のある成果が出ているので,来年度には十分な実績が出ると確信している.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究課題を継続するとともに,当初の予定通り,離散構造のオンライン予測問題における還元の定義に関する研究を行う.本研究における効率的なアルゴリズムの設計手法の開発がなされたとき,考案したアルゴリズムを計算機上で実装し,既存手法との計算時間・計算領域を比較し,性能評価を行うことで本手法の実用的な優位性を示す.そして,なされた研究成果について,国際会議及び国際論文誌に投稿し発表を行う.
|
Research Products
(1 results)