2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16J05024
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日下部 晴香 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
|
Keywords | 星形成モード / 星質量とダークマターハロー質量の比 / Lya halo |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究を通して、 爆発的に星形成をしている形成初期の銀河(ISGs)に焦点をあてる前に、LAEsの母サンプル全体(4領域 約2400天体)の特徴を慎重に研究する必要があることがわかった。これらのダークマターハローの質量と星質量、星形成率を正確に求める新規手法を用いて、LAEs の母サンプルの平均的な星形成活動を調べた。LAEs は典型的には穏やかな星形成モードをもつことが確かめられた。 一方で、星質量とダークマターハロー質量の比である stellar to halo mass ratio は、平均的な銀河よりも少し高いことが確かめられた。これらのことから、LAEs は過去の宇宙では非常に効率よく星形成をしたのちに、穏やかな星形成をする銀河であることがわかった。
次に、特に深いデータのある2領域の計900天体を物理量に応じて計10個のサブサンプルにわけた。これらのサンプルに対して上記の解析をおこなったところ、紫外線光度が暗い銀河は明るい銀河よりも星質量がより小さいことがわかった。しかし、全てのサブサンプルの星形成活動が穏やかであることがわかり、現在のSuprime-Camのデータではこれ以上細かなサブサンプルわけをすると精度が不十分となるため、今回のサンプルからはISGsを発見することができないことがわかった。Hyper Suprime-Camによる大きなサンプルが今後得られれば、紫外線高度が暗い銀河など質量の特徴をもつ銀河サンプルの中に含まれているであろうISGsを発見できると考えられる。今回、この他に、銀河周辺のCGMと呼ばれるガスが Lyaで光っている( Lya ハロー)物理的な起源が共鳴散乱であることも明らかになり、これらの結果は論文にまとめ、現在査読中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
天候不良や装置トラブルのため、Hyper Suprime-Camの観測が遅れていて、まだ新しい銀河サンプルが取得できていない。しかし、まず既存のサンプルを慎重に調査すべきことが明らかになったため、新規手法を開発してまずはサンプル全体の平均的な性質を正確に評価することができた。これは新しいサンプル取得後の研究の土台となる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、新しいLAEサンプルを作成し、サブサンプルにわけたLAEsの性質を開発した手法を用いて慎重に調べていく。
|