2016 Fiscal Year Annual Research Report
全身完全透明化手法を用いた包括的神経活動・免疫応答可視化技術の開発
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16J05041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 達哉 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 透明化 / ライトシート顕微鏡 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
網羅的な化合物スクリーニングを実施することで、1)脱脂、2)脱灰、3)脱色、4)屈折率調整、5)蛍光タンパク質保持能力において秀でている物質を選出することを終えた。情報解析を行うことにより、適切なそれぞれの透明化パラメータにおいて、重要度の高い構造、化合物の性質を見出すことに成功している。 続く化合物の組み合わせによる透明化プロトコルも、最適化を進めており、既存の手法と比較して高速になったのみならず透明化が難しかった領域も透明化が可能なプロトコルを作成した。マウスの臓器はおよそ3日で深部を透明にすることができ、1週齢のマウスにおいて実際に骨をふくめ全身を丸ごと透明化することにも成功した。マウスの臓器を高解像度ライトシート顕微鏡で観察することにより、細胞解像度で臓器を描出することにも成功している。出来上がったテラバイトレベルの情報に対しても新しい解析基盤を導入して細胞の位置情報だけで組織を解析する手法を開発した。 マウス組織以外にもヒト組織の透明化にも応用しており、1 cm角の大きさの脳、心臓、肺、腎臓など各種臓器を透明化することができてる。ヒト組織においては蛍光顕微鏡による観察も現在進めており、免疫や神経の活動状況などを可視化する準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨を含めた全身透明化の技術開発は、すでに応用可能な状態である。すでに1週齢のマウスを用いて骨丸ごとの全身透明化に成功しており、成体マウスでの実現性も非常に高いと考えられている。
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Strategy for Future Research Activity |
レポーターマウスを用いることで、全身の神経の活動状況や免疫細胞の局在などを細かに観察を行う。高解像度にイメージングをできるように、光学系をさらに改良を行い、1細胞解像度において全身を観察していく。 骨内部の細胞の細胞腫を見分けられるように、透明化のさらなる改良も行っていく。
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Research Products
(3 results)