2018 Fiscal Year Annual Research Report
全身完全透明化手法を用いた包括的神経活動・免疫応答可視化技術の開発
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16J05041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 達哉 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 組織透明化 / CUBIC / 脳アトラス |
Outline of Annual Research Achievements |
東京化成工業との共同研究により、1600以上にわたる化合物に対して透明化能を定量的に評価を行った。その際に透明化能の評価軸を1)脂質除去効率、2)骨可溶化効率、3)ヘム遊離(脱色)能、4)屈折率、5)蛍光タンパク質保持能、6)膨潤能、に分けてそれぞれの能力を定量した。その結果、全身丸ごと透明化に有用な試薬を同定することに成功したに及ばず、透明化に必要な化合物の物性を明らかにすることができた。考察の結果、脱脂に対してアミンやアミノアルコールが有用であること、屈折率調節に対してアミドおよび芳香環を有した化合物が有用であることなどである。これらの考察に基づいてCUBIC-L, CUBIC-R等と名付けた試薬を開発した。開発した試薬は東京化成工業社から購入が可能である。 開発した透明化試薬を用いて、マウス脳、腎臓、肝臓、脾臓、肺、心臓、などの主要臓器を透明化のデモンストレーションを行った。また、骨を含めたマウス全身や、ヒトの1cm3程度の大きさの臓器片も透明化することが確認され、スケーラビリティを実証した。 膨潤された脳を高解像度ライトシート顕微鏡で観察することにより、全細胞の検出が可能になった。正確に全脳全細胞を検出することで、一細胞解像度脳アトラスを作成し、活動マッピングや発達解析など多様な応用を試みた。結果、海馬歯状回に機能的に分けられた領域が発見されたことに加え、臨界期において特定の脳領域において細胞数が減少する現象を突き止めた。類似の解析は他の臓器にも応用可能である。 ヒト病理組織への応用を鑑み、死後検体の組織を実際に透明化し観察することで一細胞解像度の三次元観察を実施した。また免疫染色法と組み合わせることでヒト脳組織内の血管構造を三次元的に観察することや、核染色と組み合わせることで腎臓の糸球体構造を詳細に描出することを行った。本試薬の病理組織に対する応用が期待される。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A three-dimensional single-cell-resolution whole-brain atlas using CUBIC-X expansion microscopy and tissue clearing2018
Author(s)
Tatsuya C. Murakami, Tomoyuki Mano, Shu Saikawa, Shuhei A. Horiguchi, Daichi Shigeta, Kousuke Baba, Hiroshi Sekiya, Yoshihiro Shimizu, Kenji F. Tanaka, Hiroshi Kiyonari, Masamitsu Iino, Hideki Mochizuki, Kazuki Tainaka & Hiroki R. Ueda
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Journal Title
Nature Neuroscience
Volume: 21
Pages: 625-637
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Chemical Landscape for Tissue Clearing Based on Hydrophilic Reagents2018
Author(s)
Tainaka K, Murakami TC, Susaki EA, Shimizu C, Saito R, Takahashi K, Hayashi-Takagi A, Sekiya H, Arima Y, Nojima S, Ikemura M, Ushiku T, Shimizu Y, Murakami M, Tanaka KF, Iino M, Kasai H, Sasaoka T, Kobayashi K, Miyazono K, Morii E, Isa T, Fukayama M, Kakita A, Ueda HR
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 21
Pages: 2196-2210
DOI
Peer Reviewed
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