2017 Fiscal Year Annual Research Report
認知機能を高める海馬グリコゲンローディング法の開発
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16J05042
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
征矢 茉莉子 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 海馬グリコゲン / グリコゲンローディング / 認知機能 / パターン分離能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度までに確立した、海馬グリコゲンを特異的に増加させる「海馬グリコゲンローディング(GL)」が海馬の担う認知機能(記憶・学習能)に及ぼす効果の検討を積極的に試みた。海馬グリコゲンは、糖源分解と解糖系を通じて乳酸となり、記憶・学習能に重要な役割を果たすことが薬理・遺伝的手法によって明らかにされているが、本研究はGLが高める海馬グリコゲン量の意義を明らかにする点でスポーツ科学・神経科学的に非常に画期的である。この実現には、①海馬特異的記憶学習能を評価できる、②絶食や絶水が不要である、③1日で終了できる、という3条件が必須で、既存の研究手法では対応困難だったため、新たな行動実験モデル確立に第一義的に取り組んだ。その結果、上記の3条件を満たす行動実験として新奇物体再認テストが選ばれたが、通常、このテストで評価できる機能は海馬特異的な機能ではないことが問題となった。この問題を解決するため、このテストで用いる課題の難易度を高めることで海馬特異的な機能であるパターン分離能をマウスで評価した先行研究があり、これを参考に本研究でもラットのモデル確立を試み、その確立に成功した。さらに、この実験モデルを用いて、海馬GLがパターン分離能に及ぼす効果の検証を試みたところ、海馬GLは低難易度課題の成績に影響を及ぼさず、高難易度課題でのみその成績を向上させたことから、海馬GLは単なる新奇物体識別能に影響を及ぼさないが、新奇物体を識別するパターン分離能を高めることを世界で初めて明らかにした。関連する成果をScientific Reports(IF = 4.3)に公表した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)