2016 Fiscal Year Annual Research Report
進化の過程で四肢動物が後肢の位置の大きな多様性を獲得した分子メカニズムの解明
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16J05065
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松原 由幸 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 形態形成 / 四肢発生 / 多様性 / 進化発生学 / Hox / 種間比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、まずこれまでの研究成果をまとめた論文を執筆した。分泌因子GDF11が四肢動物胚の沿軸中胚葉と測板中胚葉の両方においてHox遺伝子の発現を誘導し、発生中に仙椎と後肢の形成位置を統合していることを示し、加えて四肢動物の進化においてGdf11の発現開始タイミングの種間の違いが仙椎・後肢ユニットの形成位置の多様性を生んでいることを示す論文を執筆した。 また、それに続く研究目標として、発生中にGdf11の発現開始タイミングを決める分子メカニズムを明らかにすることを定め、まずGdf11の発現開始機構の解明のための実験を行った。シーケンスブラウザSraTailorを用いたin silico解析を行ってエンハンサーの候補配列を絞り込み、候補配列にレポーターを繋いだコンストラクトをニワトリ胚に電気穿孔法によって導入した。その結果、沿軸中胚葉において活性を示すコアエンハンサー配列を約50 bp程度まで絞り込むことに成功した。また、コアエンハンサー配列の中に複数の転写因子結合配列を発見し、それらの配列に変異を導入することで、エンハンサー活性に必須な結合配列を同定した。 次に、エンハンサー活性に必須な転写因子結合配列を手がかりに、Gdf11の上流因子の候補を考えた。そして、上流因子の候補を電気穿孔法を用いてニワトリ胚に導入し、実際にGdf11の発現誘導能を持っている遺伝子を明らかにした。その発現誘導能を持っている遺伝子は、Gdf11が発現する直前の発生段階から沿軸中胚葉で発現することを、in situ hybridizationによって確かめている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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