2016 Fiscal Year Annual Research Report
前頭側頭葉変性症患者脳内における神経伝達物質の質量分析法を用いた解析
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16J05476
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
松下 祥子 浜松医科大学, 医学部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 前頭側頭葉変性症 / イメージング質量分析 / 質量分析 / 神経伝達物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
前頭側頭葉変性症(FTLD)は、脳の前頭葉および側頭葉における顕著な萎縮が観察される認知症疾患の1つである。主に性格変化と社会的行動障害が観察される。FTLDの病態は明らかでなく、病態理解を進める新たな知見が求められていた。FTLDに関する知見はタンパク質などの高分子において進んでおり、神経伝達物質などの低分子解析はあまり進んでいなかった。そこでFTLDとFTLDでない疾患(non-FTLD)の患者脳における神経伝達物質の量と分布を明らかにし、FTLDの病態に関連する知見を得ることで、治療法・治療薬開発の足掛かりとすることを目的とした。測定を試みた神経伝達物質はタウリンなど5種類とした。 測定対象の標品およびマウス組織を用いて、液体クロマトグラフィー-質量分析法を用いた定量解析系とイメージング質量分析による分布解析系の立ち上げに取り組んだ。特にタウリン解析に関しては、FTLD(9症例)およびnon-FTLD(9症例)の前頭葉・後頭葉をそれぞれ定量解析した結果、FTLDの病変部である前頭葉において他症例よりも定量値が1.5~2倍程度高値を示す症例があると分かった。これらは異常リン酸化したtrans activation responsive region-DNA-binding protein of 43 kDa(TDP-43)陽性群であった。分布解析を行ったところ、異常リン酸化TDP-43陽性群では白質と灰白質の境界にタウリンが多く存在していることが分かった。特にタウリンが高値を示した2症例の境界を詳細に解析すると、白質と比較して神経細胞の多い灰白質に多く分布していることが分かった。この結果から異常リン酸化TDP-43群ではタウリンが白質と灰白質の境界に存在し、神経細胞へ何らかの影響を与えている可能性が示唆され、病態に関連した知見を得られたと考えられた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] イメージング質量分析法における超臨界洗浄法の開発2017
Author(s)
松下 祥子, 正木 紀隆, 佐藤 浩平, 早坂 孝宏, Thanai PAXTON, 杉山 栄二, 佐藤 太, 寺崎 真樹, 惠 淑萍, 千葉 仁志, 間瀬 暢之, 瀬藤 光利
Organizer
日本薬学会第137年会
Place of Presentation
仙台
Year and Date
2017-03-27 – 2017-03-27
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