2018 Fiscal Year Annual Research Report
音楽文法と楽譜変換の階層ベイズモデルに基づく編曲技能の計算論的解明
Project/Area Number |
16J05486
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 栄太 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD) (10707574)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 記号的音楽情報処理 / 自動編曲 / 音楽言語モデル / 音楽文法推論 / 統計的音楽生成モデル / ピアノ編曲 / 音楽スタイル変換 / 自動採譜 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、これまで進めてきた音楽言語モデルの統合により、様式変換と楽器変換の両側面で編曲アルゴリズムの導出を行った。これにより本研究の主題である統計的音楽言語モデルと編集モデルの統合モデルに基づく編曲手法の枠組みを実例において実現して、その有効性を評価実験において確認した。多くの雑誌論文及び国際・国内学会発表にて成果発表を行った。 楽器変換においては、合奏曲からのピアノ用編曲手法を調べた。運指を含む演奏モデルに基づき演奏難易度の定式化を行った。この尺度が演奏誤りの頻度の指標となることを確認し、単純に音符の密度を見るよりも精密な予測ができることを示した。また、編曲における音符の編集操作を表す編集モデルを統合することで編曲アルゴリズムの定式化を行った。編曲アルゴリズムの評価は、客観的な演奏難易度尺度の制御性能の測定と音楽専門家による演奏難易度と原曲に対する忠実度の採点評価と編曲結果の修正に基づく誤り解析により行った。これにより提案手法によって主観的な演奏難易度が制御可能なこと、運指モデルを組み込むことにより原曲に対する忠実度などがより高く、演奏不可能な音符がより少ない編曲が行えることなどを確認した。 様式変換においては、メロディーを対象として音楽様式を変換する手法を調べた。潜在的に音楽文法を表す空間を用いた方法により翻訳モデルを構成し、音高空間での単純な距離尺度による類似性に基づくものと比較することにより、この効果を調べた。また、音符パターンとその変形を確率的に定式化したモデルを用いて、局所的モデルでは捉えにくい文法構造に現れる音楽文法規則および編曲の翻訳規則を調べた。 研究に関連して収集したピアノ運指データを整備して一般公開した。編曲システムのデモページをWebにて公開した。開発した編曲システムは、入出力形式を整えた状態で今後、Webで利用できる形で一般公開する予定である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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