2018 Fiscal Year Annual Research Report
可視光・X線・ガンマ線観測による活動銀河核の長期活動現象の解明
Project/Area Number |
16J05742
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
橘 優太朗 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 活動銀河核 / ジェット / 降着円盤 / 時系列解析 / 機械学習 / 可視光 / X線 / 多波長観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超巨大ブラックホール(SMBH)に起因した重力エネルギーの解放による電磁波放射の長期変動の物理過程に対する制限を行うものである。 SMBHを中心に有する活動銀河核(AGN)からの放射は、相対論的な速度を有する電子の塊であるジェットと、SMBH周辺の高温の降着円盤からの二つが最も卓越していると考えられている。 しかし、その高い変動性の起源は未だ議論の最中である。 このような状況と昨年度までの研究から得られた示唆に基づき、本年度は、既存の手法での解析が困難であったデータに対して、機械学習を用いた解析手法の確立と、本研究で既に確立済みの解析手法の他天体への適用を行なった。 まず、可視光サーベイ観測においてAGNの系統的研究を可能とするために、銀河と星の分類器を機械学習の手法を用いて開発した。本手法は、変動天体の放射起源を推定する際の最も重要な情報の一つとなっている。また、十年以上に及ぶ三万天体以上のAGNの可視光観測結果を用いて、その変動の特徴量抽出と、物理量との関連性の調査を、深層学習の手法を用いて行った。その結果、AGNの可視光放射の変動非対称性が、その光度に関連することを示唆する結果が得られ、さらにこれが降着円盤の不安定性に起因する変動モデルから期待される特徴と矛盾しないことが示された。 新規解析手法の確立に加えて、確立済みの解析手法を他天体に適用することで新たな知見を得た。γ線バースト GRB161017Aに関する研究では、標準的なモデルから期待されるよりもその活動性が長期に及び、ほぼ同等の質量を持つ物質が数回放出されていたことを示唆する結果を得た。また、ブラックホール連星GRS 1915+105のX線放射の変動性に関する研究においては、四半世紀もの間隔をもった活動性の高い類似性を見出し、降着円盤を含む物理的に巨大な放射システムの存在を示唆する結果を得た。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)