2018 Fiscal Year Annual Research Report
ICCおよびc-Kitに着目した腸管神経修復機構の解明
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16J05888
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉田 宏美 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD) (60712817)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 腸管神経系 / 神経再生 / c-Kit |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、腸管神細胞を塩化ベンザルコニウム(BAC)処理で損傷させたのちに異所性に出現する新生神経細胞について、特にこの現象がc-Kitミュータントマウス(W/Wv)で顕著に見られることに注目し、その再生メカニズムを明らかにすることを目的としている。 近年、神経前駆細胞として想定されているグリア細胞特有タンパクの発現が低下し、神経細胞特有のタンパク発現が増加することにより、前駆細胞が神経細胞になることが報告された。このことを参考に、独自の損傷モデルでも同様の現象が想定されうるか検討した。 野生型マウス、W/Wvマウスの小腸を塩化ベンザルコニウムで処理し、損傷モデルとした。野生型マウスにおいて損傷後5日、1週間でSox2+ / PGP9.5- (神経マーカー未発現の前駆細胞と想定される細胞)、Sox2+ /PGP9.5+ (グリア細胞と神経細胞の発現を同時に示す移行期と考えられる細胞)、Sox2- / PGP9.5+ (神経細胞)の3種類の細胞が漿膜下に存在することがわかった。つまり、本損傷モデルでも、グリア細胞様前駆細胞におけるグリア細胞特有のタンパク発現が低下し、神経細胞特有のタンパクが発現することで、前駆細胞が異所性新生神経細胞になり得ることが考えられた。 本研究結果は、神経再生メカニズム解明のうち、新生神経細胞のオリジンを明らかにするための重要なヒントとなり得、さらに、再生促進過程におけるc-Kitの関与を理解するための実験を組み立てるにあたり、土台となり得る結果を得ることができた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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