2017 Fiscal Year Annual Research Report
脳キナーゼCdk5の新規基質GRABによる小胞輸送を介した軸索伸長メカニズム
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16J06215
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
古澤 孝太郎 首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 大脳皮質形成 / メンブレン・トラフィック / リン酸化 / GRAB / Rab / Cdk5 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳皮質形成の際、脳室帯において新生された神経細胞は脳表層側へと移動する。このとき神経細胞は、複数の神経突起を伸縮させた後、双極性の形態をとり先導突起の伸縮を繰り返しながら脳表層側へと移動する。すなわち、神経突起の伸縮は神経細胞移動に必須である。近年、メンブレン・トラフィックの神経突起伸長における重要性が明らかになってきている。しかし、神経細胞移動におけるメンブレン・トラフィック制御機構の多くは不明である。初年度において、Cdk5によるGRABのリン酸化は、Rab11-Rab8カスケードを介して神経突起伸長を制御することが明らかになった。本年度では、初年度に明らかにしたメンブレン・トラフィック制御機構に着目して、大脳皮質形成における神経細胞移動メカニズムを明らかにすることを目的とした。胎仔マウスの大脳皮質神経幹細胞において、子宮内電気穿孔法を用いてGRABをノックダウンしたところ、新生された神経細胞の移動が阻害された。さらに、この表現型はGRABのターゲットであるRab8やRab11のノックダウンにおいても同様に観察された。これらの結果から、GRABはRab8やRab11を介して大脳皮質形成に関わることが示唆された。次に、Cdk5によるGRABのリン酸化が神経細胞移動に与える影響を解析した。具体的には、GRABのノックダウンによる神経細胞移動の障害が、野生型GRAB、非リン酸化型GRAB変異体、もしくは擬リン酸化型GRAB変異体の共発現でレスキューできるのかを検証した。すると、野生型GRABを共発現させることで神経細胞移動の障害はレスキューされたが、非リン酸化型、もしくは擬リン酸化型の変異体ではレスキューされなかった。このことから、Cdk5によるGRABのリン酸化と、その脱リン酸化の両方が正常な大脳皮質形成に必要であることが示唆された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)