2016 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷に伴うクロマチン構造変化の制御メカニズム解析
Project/Area Number |
16J06389
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
平川 健 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | クロマチン構造 / DNA損傷応答 / DNA修復 / 相同組換え / RAD54 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. シロイヌナズナにおけるクロマチリモデリング因子RAD54の動態解析 RAD54をレポーター遺伝子GUSや蛍光タンパク質EYFPで標識した形質転換株を作製して発現および局在解析を行った結果、RAD54は茎頂や根端などの分裂活性の高い組織で発現しており、細胞核に局在していることがわかった。次に、DNA損傷の一種であるDNA二本鎖切断処理を誘発するγ線を照射したところ、RAD54は細胞核内でドット状の構造を形成していた。この構造体を「RAD54フォーサイ」と名付け、その形成機構と機能を調べた。DNA損傷センサーATM変異株やその下流で働く転写因子SOG1変異体ではRAD54フォーサイの形成頻度が低下していたことから、RAD54フォーサイはATM-SOG1経路を経て形成されることがわかった。さらに、RAD54フォーサイの形成には、RAD54と相互作用する相同組換え因子RAD51が必須であることや、RAD51パラログの一つであるXRCC2も関与していることもわかった。 RAD54フォーサイは、DNA二本鎖切断処理時に、損傷ゲノム領域特異的に検出されるγH2AXフォーサイと共局在していた。また、共焦点レーザー顕微鏡下でUV照射により細胞核内にDNA損傷を誘導したところ、RAD54は照射領域特異的に集積しフォーサイを形成した。以上の結果より、RAD54はDNA修復の進行に機能する構造体、DNA修復フォーサイであることがわかった。
2. シロイヌナズナにおけるRAD54相互作用因子の同定と解析 RAD54-EYFP発現株を材料にした免疫沈降および質量分析により、γ線照射した際にRAD54と相互作用する因子の候補をリストアップした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. シロイヌナズナにおけるクロマチリモデリング因子RAD54の動態解析 研究成果をまとめた論文を出版することができた。 2. シロイヌナズナにおけるRAD54相互作用因子の同定と解析 相互作用候補因子をリストアップすることができた。 以上の理由から、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
RAD54の相互作用因子の解析(研究実績の概要2.)を進める。リストアップされた相互作用候補因子の中でも、クロマチン構造変換や細胞周期制御に関わる因子に注目する。まず、候補因子の変異株に対してDNA損傷に対する感受性を調べる。野生株と比べて感受性に差異がみられた変異体が得られた場合、RAD54との相互作用解析を進める。 早い段階で一つの研究項目を論文化することができたため、クロマチン構造変換因子の変異株を用いた逆遺伝学的解析にも着手する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Plant Aurora kinases interact with and phosphorylate transcription factors.2016
Author(s)
Takagi, M., Sakamoto, T.,Suzuki, R.,Nemoto, K., Obayashi, T., Matsunaga, T. M., Hirakawa, T., Kurihara, D., Nariai, Y., Urano, T., Sawasaki, T. and Matsunaga, S.
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Journal Title
Journal of Plant Research
Volume: 129(6)
Pages: 1165-1178
DOI
Peer Reviewed
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