2017 Fiscal Year Annual Research Report
状態空間モデルによる非対称かつ裾の重い分布に従う時系列の推定
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16J06454
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗栖 大輔 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 連続時間状態空間モデル / 伊藤セミマルチンゲール / レヴィ過程 / ノンパラメトリック推定 / 信頼バンド |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はこれまでに得られた成果を3本の論文にまとめ学術誌に投稿した。 ①複数の国際金融市場の金融危機時における因果性の分析のためのモデルの開発 ②高頻度に取引される複数の金融資産がマーケットマイクロストラクチャーノイズを伴って観測される場合において、金融資産が観測期間内に同時に急激な変動(ジャンプ)をもつかどうかの統計的検定手法の開発 ③Levy 過程と呼ばれる確率過程のクラスを高頻度に離散観測する状況で、Levy過程のジャンプの挙動を特徴づける Levy 密度のノンパラメトリックな推定と信頼バンドの構成 これらの研究の内、①については先行研究のモデルの拡張として simultaneous multivariate Hawkes process model を提案し、その定常性の条件の導出、最尤推定量の漸近正規性の導出、尤度比検定による因果性検定の提案を行った。その研究成果は査読付き国内学術誌に投稿中である。また②、③については離散時間の状態空間モデルの連続時間のモデルに拡張する試みである。特に②については査読付き国際学術誌であるScandinavian Journal of Statistics に掲載されることが決まっている。また③についてはLevy-Khintchine 表現を利用したスペクトル推定量を提案し、その推定量に対するGauss近似の結果とブートストラップ法に基づく一様信頼バンドの構成関する理論的妥当性を示した。また具体的なLevy過程に対してこの研究で示した結果が適用可能かどうか調べる際に確かめやすい条件も与え、その条件を満たすLevy過程の具体例を挙げた。これにより我々の結果が多くの Levy 過程に対して適用可能であることが示された。更に推定量のバンド幅の選択についても実用的な方法を提案した。この研究成果は権威ある査読付き国際学術誌に投稿中である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(13 results)