2017 Fiscal Year Annual Research Report
動的ペチェック過程のメカニズム解明によるリコネクション高速化問題の解決
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16J06873
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴山 拓也 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 太陽物理学 / 太陽フレア / 磁気リコネクション / 電離非平衡過程 / 分光観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度に開発した3次元磁気流体シミュレーションコードを用いて予定通り京コンピュータで3次元リコネクション領域シミュレーションのプロダクトランを行ない、シミュレーション結果の初期的な解析を行った。今回行ったシミュレーションでは異なる層のプラズモイド間で相互作用が起こり、プラズモイド同士のリコネクションが起こる様子が見られた。これによりリコネクション領域の発展は2次元の場合とは違いが見られる。このプラズモイド同士のリコネクションを考えると2次元と3次元でプラズモイドの役割が大きく異なることがわかった。 また、シミュレーションで得られた知見を実際の太陽観測と比較するためにプラズマ流体とともに鉄の電離過程を解くシミュレーションコードを開発した。これは次世代の太陽観測衛星計画であるEUVSTでの観測に備えて理論研究である。29年度はシミュレーションコードの開発とテストが完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論研究については予定通り3次元計算のプロダクトランも終了し、3次元構造の発達の様子も解析から見て取ることができた。30年度により定量的な解析を行うことで3次元リコネクション過程について新しい知見を得ることができると確信している。 観測的研究についてはHinode衛星のEIS望遠鏡が観測停止中であるため次世代衛星を目指した研究を行っている。計算コードの開発も概ね終了し、30年度に観測を模擬したシミュレーションを行う準備が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元シミュレーションの定量的解析手法については試行錯誤の余地があるが、流体力学の知見を用いるなどして物理的解釈を行う予定であり、それに向けた共同研究も進行しており十分に遂行可能だと考えられる。 観測を模擬したシミュレーションに関しては計算に用いるスーパーコンピュータ資源も確保できており、2次元計算であるため解析も容易であることから遂行可能だと考えられる。
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