2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16J07037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石村 亮輔 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | UFM1 / UBA5 / ユビキチン様修飾システム / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質修飾は、タンパク質機能の多様性を生み、限られた遺伝情報を増幅させる。高等動物には8種類のユビキチン様タンパク質(UBLs)が存在する。UBLsの一つであるUFM1はまだまだ不明な点が多い。他のUBLsにおけるタンパク質修飾機構や個体レベルにおける病態生理が判明しつつある一方、UFM1システムはともに進展していなかった。本研究課題では小頭症やてんかん等を伴う複数の重度発達障害患者のエキソーム解析を行い、UFM1のE1様酵素であるUBA5の複合ヘテロ接合体変異を同定した。患者由来の変異体は酵素活性が低下していること、神経特異的Ufm1欠損マウスは小頭症を伴い生後1日以内に死亡することを明らかにした。さらに、同定した遺伝子変異をもつノックインマウスを作製した。これを作製済みのUba5ノックアウトマウスと交配し、患者と同様の遺伝子の組み合わせをもつマウスを作製した。 UFM1の標的タンパク質の未同定が、UFM1研究の発展を遅らせてきた最大の理由である。この問題を解決するために、UFM1の脱酵素であるUFSP2の欠損細胞を作製し、細胞内においてUFM1と基質とが安定に結合体を形成する方法を確立した。さらにこのUFM1が安定に結合体を形成する方法を用いて、UFM1と細胞内タンパク質結合体の質量分析を行った結果、UFM1の基質の一つとしてCYB5R3(NADH-Cytochrome b5 reductase 3)を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
UFM1システムのE1酵素であるUBA5の複合ヘテロ接合体変異がヒト疾患の原因であることを見出した。さらに、UFM1システムの新規基質を発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
新規に作製した遺伝子改変マウスの表現型解析を続けるとともに、CYB5R3へのUFM1修飾による機能変換の解析を行う。
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