2016 Fiscal Year Annual Research Report
制御性T細胞のエピジェネティック改変による急性GVHDの制御
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16J07143
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
笠原 秀範 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティック改変 / 制御性T細胞 / GVHD |
Outline of Annual Research Achievements |
制御性T細胞(Treg)の中でもnaive T細胞から誘導するinduced Treg(iTreg)はドナーからの細胞源採取が容易であり、かつアロ抗原特異的な誘導も可能であるため実際に移植片対宿主病(GVHD)治療に対する臨床応用が強く期待されるが、安定性に問題があるため実際の有効性や副作用についてはまだ不明の点が多い。本研究ではこのiTregに対してエピジェネティックな改変にて機能改善を目指し、その効果・副作用について急性GVHDモデルマウスを用いて研究することとしてきた。今までのところで行ってきた実際の方法としては、major MHC mismatchでの致死的急性GVHDモデルにおいてアロ抗原特異的に作成したiTregにエピジェネティック改変を行い、この細胞の移入によって致死的GVHDの改善が得られるかどうかを詳細に解析してきた。具体的には生存率、体重を含めたGVHDスコア、病理組織の判定、フローサイトメトリーでのTreg安定性などの評価を行いiTregの臨床的効果の改善を確認できた。またTregとしての安定性に有利なエピジェネティック改変は背景にTregマスター遺伝子であるFOXP3のエンハンサー領域においてDNA脱メチル化が進んでいる可能性が高いと考えられることから、これについてはDNAのCpG領域についてバイサルファイトシーケンスを行いその程度を確認しエピジェネティック変化を大幅に起こすことを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iTreg細胞の性質変化について、DNAのエピジェネティック変化、またGVHDマウスモデルの臨床的効果の両面について確認できているため1年目としてはおおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後このiTregが移植片対白血病(GVL)効果に与える影響についても明らかにする。また、エピジェネティック改変が今までの既存の薬剤や方法論と比較してより効果や有効性が高いことを確認する。またエピジェネティック改変によりFOXP3以外に無用な変化をきたすことがないかどうかについても確認する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Genetic basis of myeloid transformation in familial platelet disorder/acute myeloid leukemia patients with haploinsufficient RUNX1 allele.2016
Author(s)
Sakurai M, Kasahara H, Yoshida K, Yoshimi A, Kunimoto H, Watanabe N, Shiraishi Y, Chiba K, Tanaka H, Harada Y, Harada H, Kawakita T, Kurokawa M, Miyano S, Takahashi S, Ogawa S, Okamoto S, Nakajima H.
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Journal Title
Blood Cancer Journal
Volume: 5
Pages: e392
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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