2017 Fiscal Year Annual Research Report
新奇性追求に関わる遺伝的基盤の探索とその進化生態学的意義の検証
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16J07227
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
勝村 啓史 岡山大学, 自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 新奇性追求 / 行動実験 / 遺伝的多型 / 地域集団 / QTL解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新奇性追求に関わる遺伝子を特定するために,(1)QTL解析に向けた交雑個体の作成,(2)作成した交雑個体の行動評価,(3)行動実験後の個体から全脳の摘出の3つの目的を立て取り組んだ. 【(1)QTL解析に向けた交雑個体の作成】前年度に確立した新奇性追求の強さを定量する実験系を用いて,新奇性追求行動に明確な差が認められた2つメダカ地域系統の交雑個体群作成を実施した. 【(2)作成した交雑個体の行動評価】F1,F2世代の新奇性追求行動の程度を,F0世代と同様に前年度に確立した新奇性追求の強さを定量する実験系を用いて測定した.F1世代では,ほぼ全ての個体で新奇性追求行動が強い地域集団と同程度の値を示し,強い新奇性追求行動がドミナントである可能性を示した.F2世代では,新奇性追求行動が強い地域集団と弱い集団と同程度の値を示す個体が出現し,それらの中間の値をとる個体も出現した. 【(3)行動実験後の個体から全脳の摘出】新奇性追求行動の関与するゲノム領域,遺伝子数をしぼるため,mRNA-seqを実施するために,行動実験後の個体から,全脳の摘出を実施した.上述の2で新奇性追求行動を測定した個体から全脳の摘出(計108個)を実施し,新奇性追求行動評価で高い値を示した12個と低い値を示した12個を選び出した. 以上の3つに加え,前年度に立ち上げたRAD-seqの改善を実施し,メダカ334個体から約60,000 SNPを得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
F2交雑個体を作成する過程で少し苦戦したが,RAD-seqとmRNA-seqによる新奇性追求行動関連遺伝子座同定への準備が整ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
RAD-seq法を用いたQTL解析によって新奇性追求行動の程度に関連するゲノム領域を特定と,全脳m RNAを用いたstrand-specific mRNA-seq解析を進める.
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Research Products
(9 results)