2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16J07311
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂中 哲人 大阪大学, 歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 栄養共生 / 口腔細菌 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は微生物叢の高病原化(Dysbiosis)に由来する疾患である。Dysbiosisに寄与する微生物間の相互作用のひとつに,菌種間で代謝産物を分け合う栄養共生がある。最近我々は,口腔初期付着菌であるStreptococcus gordoniiの産生するオルニチンが,歯周病関連菌Fusobacterium nucleatumを栄養しバイオフィルム形成を促進することを見出した(Sakanaka et al., J Biol Chem, 2015)。本研究では,S. gordoniiとF. nucleatum間で行われる栄養共生現象の全容解明を目指すとともに,それがDysbiosisに及ぼす影響について評価することを試みた。 共培養実験を行ったところ,F. nucleatum単独培養時と比べ,共培養時ではF. nucleatum菌体内のN-アセチルオルニチンとプトレシンが顕著に増加するとともに,グルタミン酸やアラニン等のアミノ酸や,AMPやNAD+等の核酸が増加することが示された。さらに共培養時には,S. gordonii由来代謝産物としてオルニチン,アラニン,グルタミン酸等が培地中で増加するとともに,F. nucleatum由来代謝産物として酪酸が増加することが分かった。 F. nucleatumの主要なエネルギー産生経路として,グルタミン酸を代謝して酪酸を産生する経路が知られている。そこでqRT-PCRを行い同代謝経路上の酵素の発現量を評価したところ,共培養時にはブチリルCoAデヒドロゲナーゼ等,複数の酵素の発現が有意に上昇することが示された。このことからS. gordoniiから供与された複数のアミノ酸がF. nucleatumの酪酸発酵能を高めることが示唆された。この知見に関し,2017年7月にValenciaで行われたFEMS 2017で発表を行い反響を得た。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)