2016 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレーションを用いた行政職員による観光地の避難計画策定手法に関する研究
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16J07660
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
酒井 宏平 立命館大学, 政策科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | シミュレーション / 観光客 / 避難計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、非専門家だけで行われる防災活動には実践的な要素が不足していると言われている。その一方で、専門家である研究者が開発した避難シミュレーションは非専門家だけで取り扱うことが難しい。そこで、シミュレーションを非専門家が使えるようにすることで、より実践的な防災活動が行え、さらには非専門家だけでも避難計画策の定本ができるのではないかと考え、本研究では、行政職員が参加できるシミュレーターの開発とそれを使うことの効果を明らかにし、専門家に頼らない避難計画の策定手法を構築することを目的としている。 本年度は、避難シミュレーションを用いた避難計画策定に関する実験の準備に進展があった。まず、実験に必要なシミュレーターの開発では、より正確な避難行動を再現するために、人口密度により歩行速度が変化する機能を実装した。また、実験の調査に使用する実験指標作成のための聞き取り調査を防災コンサルタントに対して行なった。 また、それ以外にも、災害時の観光客の避難だけでなく観光客の帰宅支援に関しても、公助の視点から調査を行い、帰宅困難者数の推計や必要となる備蓄の整備の提案などを行なった。 現在は最終目標である避難計画策定モデルの取りまとめに向けて作業を行なっている。 今後の課題として、非専門家による避難計画策定の実験では、シミュレーションがより早く結果を出力することが求められることから、避難シミュレーションの簡素化が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、避難シミュレーションを用いた避難計画策定に関する実験の準備に進展があった。防災コンサルタントに対し実験指標作成のための聞き取り調査及び姫路市で帰宅困難観光客に対する支援に関する調査を実施した。そして、実験で使用するシミュレーターが完成したので、現在は最終目標である避難計画策定モデルの取りまとめに向けて作業を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年上半期中に、避難シミュレーションの簡素にすることで高速化を行い、実験に使えるシミュレーションにする予定である。 また、大学の夏季休暇中にあたる8, 9月に若手研究員や大学院生を対象として、プレ実験とプレ調査を行う。 10月、11月ごろをめどに同実験を防災に興味を持っている学生を対象に行い、本手法が避難計画の策定の可能性や被験者に与えた影響などを評価する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Effect of Disaster Information on Tourist Areas2016
Author(s)
Name of presenter Kohei Sakai, Mingji Cui, Yusuke Toyoda, Hidehiko Kanegae
Organizer
36th Annual Conference of the International Association for Impact Assessment
Place of Presentation
Japan, Nagoya, Nagoya Congress Center, 愛知県
Year and Date
2016-05-12
Int'l Joint Research