2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16J07806
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
王 世涛 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | カプセル分子 / 超分子化学 / 分子認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、有機配位子と金属イオンの自己集合により、M24L8八面体カプセル分子を創出し、その巨大なナノ空間を活用した新たなホストーゲスト化学を展開することを目的とする。本年度の研究では、配位結合サイトを減らした柔軟なM20L8八面体カプセルの構築に成功し、その新しいカプセルの分子認識能を明らかにすることができた。また、分子の包接や内包した分子の縮合反応に伴って、カプセルからボウルへの構造変換が起こることを見出し、新しい分子認識システムの構築を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに創出したM20L8八面体カプセルのもつ分子認識能を明らかにすることが出来、カプセル分子の機能化にうまく成功できたといえる。また、分子の包接や内包した分子の縮合反応がトリガーとなって、カプセルがボウルへと大きく構造変換するユニークな現象の発見にも至った。これらは、既存のカプセル分子では見られなかった現象であり、順調に本研究が進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度創出した、M20L8八面体カプセルのさらなる機能化を検討する。その巨大なナノ空間をテンプレートとして活用し、カプセル内に内包させた基質の縮合反応により、選択的なオリゴマー合成を試みる。また、光反応性の基質を複数、カプセル内に内包させ、光による重合反応を検討する。さらに、カプセルの三角形有機配位子の再設計による、新しいカプセル分子の構築も検討する。現在用いている、ピリミジンをコアとする設計から、より電子不足で平面性の高いトリアジンのコアへ変更することで、より強力な分子認識能をもつ八面体カプセルの創出を検討する。
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Research Products
(4 results)