2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16J07873
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
征矢 恭典 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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| Keywords | 環拡張ポルフィリン / ヒュッケル芳香族性 / メビウス芳香族性 / デカフィリン / アヌレノアヌレン / ドデカフィリン / 金属錯体 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は電子的、構造的に柔軟な巨大環状π共役化合物である環拡張ポルフィリンを基軸として、従来のものと比べてより巨大な環状π共役系や高度にねじれた環状π共役系、加えて複数の環状電子共役系を有する分子を設計・合成し、芳香族性や反芳香族性についての新たな知見を得ることを目的とするものである。本年度は1) 複数の共役系の寄与を有する分子内架橋型環拡張ポルフィリンの合成と物性評価、２）４重ねじれヒュッケル芳香族ドデカフィリンの合成と物性評価、の２つのテーマについて研究を展開した。以下、各項目についての概要を示す。
１）各種芳香環によって連結されたビスジピロメタンを前駆体として分子内架橋型デカフィリンの合成、各種スペクトル測定による物性評価を行ったところ、期待通り架橋部位を通るような共役系の寄与が確認され、１つの分子内に複数の共役系を実現することに成功した。加えて、架橋部位を通るような環状共役系は位相が反転したメビウス型の構造を有していることが明らかとなり、メビウス芳香族性を示すアヌレノアヌレンとしての性質を見出した。
２）１）のテーマを発展させる際に得られた分子内架橋型ドデカフィリンに対して金属錯化を施すことで４重ねじれ環状π共役系を固定化することに成功した。さらに、各種スペクトル測定から、この化合物がヒュッケル芳香族性を示すことが明らかとなり、初の４重ねじれヒュッケル芳香族化合物の実現に成功した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1) のテーマに関しては、当初の計画から大幅に進展し、前駆体の合成にとどまらず、目的化合物の合成から物性測定まで遂行することに成功した。また、初のメビウス芳香族アヌレノアヌレンの実現に成功するなど、当初期待していた以上の物性を見出すことに成功した。
２）のテーマに関しては、適切な基質の探索に苦労したが、１）のテーマで得られた化合物を応用することにより目的とする化合物の単離に成功した。
以上の点から、本年度の研究は当初の計画以上に進展したと言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
分子内架橋型環拡張ポルフィリンが新規なπ共役化合物を実現する上で有用な基質であることが見出されたため、さらなる検討を行っていく。具体的には架橋部位の探索、種々の金属錯体の合成が挙げられる。また、これまでに報告されている大環状非芳香族環拡張ポルフィリンについても酸の添加や適切な金属錯化などによって芳香族性/反芳香族性の発現を目指す。
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Research Products
(8 results)
