2018 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞の経時的な解析が解き明かす、初期発生における未分化と分化の切り替え機構
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16J08005
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
中能 祥太 基礎生物学研究所, 初期発生研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | ヒト多能性細胞 / 細胞周期 / シグナル伝達経路 / 多能性 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シグナル経路と細胞周期制御因子に注目して、哺乳類の初期発生において多能性と分化を制御する機構への理解を深めることを目指す。最終年度である2018年度は、2017年度と同様に共同研究先であるイギリス・ケンブリッジ大学の研究室に滞在し、ヒト多能性幹細胞を用いたin vitroの実験系によって研究を進めた。 前年度に樹立したdouble knock outヒトES細胞に、誘導型knock downの遺伝子カセットを導入することで、細胞周期を制御する遺伝子ファミリーの3つを同時に欠損させる細胞株を作製した。この細胞株を用いた表現型試験の結果、対象の遺伝子ファミリーが多能性の維持に必須ではないことが示唆された。この結果は初めの仮説とは異なるものの、in vitro分化の系を使ったさらなる検証の結果、内胚葉への分化において対象の遺伝子ファミリーが重要な役割を果たしていることが示唆された。これらの遺伝子の欠損が、多能性の維持ではなく、細胞分化にのみ影響することは興味深い。標的遺伝子が特定の細胞系統への分化に関与する仕組みを予測するために、RNA-seqを行なっている。また、shRNAに基づく誘導型knock downのシステムを利用して、シグナル経路の構成因子をピンポイントに阻害する細胞株の樹立にも成功した。これらの細胞株と網羅的な解析を組み合わせた解析を進めている。 以上より、これまでわかっていなかったヒト初期胚の多能性状態の新たな側面を示す興味深い知見が得られた。今後は学術振興会の海外特別研究員として同留学先において研究を進め、本研究成果を含めた論文を発表したいと考えている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Method to Synchronize Cell Cycle of Human Pluripotent Stem Cells without Affecting Their Fundamental Characteristics2019
Author(s)
Loukia Yiangou, Rodrigo Grandy, Carola Morell, Rute Tomaz, Anna Osnato, Juned Kadiwala, Daniele Muraro, Jose Garcia-Bernardo, Shota Nakanoh, William Bernard, Daniel Ortmann, Davis McCarthy, Ingrid Simonic, Sanjay Sinha, Ludovic Vallier
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 12
Pages: 165-179
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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