2018 Fiscal Year Annual Research Report
末梢性・中枢性セロトニンの糖脂質代謝調節作用とその有用性の解明
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16J08117
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡邉 一史 金沢大学, 新学術創成研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | タンパク質 / 肝臓 / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、タンパク質摂取による糖脂質代謝調節作用における末梢および中枢セロトニンの関与について検討し、タンパク質摂取による糖脂質代謝調節作用を明らかにすることを目的とする。本年度は、タンパク質摂取によるNAFLD軽減作用メカニズムにおける中枢作用の役割について検討した。迷走神経のアセチルコリン作用が、α7型ニコチン受容体(A7nAchR)を介して炎症を抑制することが知られている。そこで、摂取タンパク質が迷走神経活動の低下を介して肝臓のNAFLDを軽減させるという仮説を構築し、検討を行った。 高脂肪高コレステロール食(HFHC)は、個体のインスリン抵抗性と肝臓における脂肪蓄積・炎症・線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を発症させ、肝障害を誘導する。そこで、A7nAchR 欠損(A7KO)マウスにおいて、HFHC給餌による肝障害に与える作用を検討した。肝臓の中性脂肪含量は、A7KOマウスにおいて有意な増加を示した。A7KOは、HFHC給餌によって、肝障害マーカーである血中ALT値が有意に増加し、血中AST値は増加傾向を示した。NASHの進行を評価するために肝臓組織におけるシリウスレッド染色と線維化関連遺伝子Col1a1発現を検討した。シリウスレッド染色では、A7KOマウスは、野生型マウスと比して、明らかに線維化が増悪し、Col1a1の発現は有意に増加した。これらのことは、迷走神経がA7nAchRを介して肝臓の炎症および線維化を抑制していることを示唆している。 アミノ酸は、迷走神経活動を減弱させることから、緑豆タンパク質のNAFLD軽減作用メカニズムに迷走神経が関与する可能性がある。今後、摂取するタンパク質の違いによる迷走神経活動への作用、さらにはセロトニンの関与を明らかにし、タンパク質・アミノ酸による糖脂質代謝調節メカニズムを解明できると考えられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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