2016 Fiscal Year Annual Research Report
抗動脈硬化作用のあるadropin分泌に必要な運動期間・量と運動効果機序の解明
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16J08331
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤江 隼平 立命館大学, スポーツ健康科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | adropin / 有酸素性運動 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一年度は、有酸素性トレーニングによる血中adropin濃度増大の産生組織を同定することを目的とした。 老齢マウスとして、加齢促進モデルマウスであるSAMP1マウスの38週齢を体重が均等になるように老齢有酸素性トレーニング群および老齢安静対象群に分割した(各群N=10)。さらに、加齢の影響を検討するために、13週齢のSAMP1マウスを若年有酸素性トレーニング群および若年安静対象群に分割した(各群N=10)。有酸素性トレーニング群は、回転車輪を用いた自発走運動を12週間実施し、安静対象群は同期間通常飼育した。また、等容性血管ミオグラフシステムを用いて、内皮依存性弛緩因子であるアセチルコリンやadropinの投与による血管内皮機能の評価も実施した。その結果、アセチルコリンの投与による血管内皮機能は加齢により低下していたが、有酸素性トレーニングを実施することにより改善していた。また、adropinの投与による血管拡張機能を評価した結果、加齢によりadropinによる血管拡張機能は低下していたが、有酸素性トレーニングを実施することにより改善した。さらに、その効果はNO合成酵素阻害剤であるL-NAMEの投与により消失したことから、adropinによる血管拡張能の改善はNOを介した経路が重要であることが考えられる。 さらに、有酸素性トレーニングによる血中adropin濃度の増大を反映する産生組織を同定するために、adropinの発現部位である脳、肝臓、腎臓、肺、心臓、脾臓、骨格筋、小腸、脂肪、血管内皮細胞を摘出し、各臓器の遺伝子発現量を比較検討した結果、血管を含む3つの臓器において加齢により低下するが有酸素性トレーニングを実施することによって改善するといった血液中と同じ動態を示していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、おおむね達成できていると考えられる。老齢マウスに有酸素性運動を実施し、有酸素性トレーニングによる血中adropin濃度の増大を反映する産生組織を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究結果から、有酸素性トレーニングによる血中adropin濃度の増大を反映する産生組織を同定できたが、adropin分泌の増大にはどの程度の運動期間が必要かは明らかでないため、今後はadropin分泌の増大に必要な運動期間を検討する。
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Research Products
(24 results)