2017 Fiscal Year Annual Research Report
シアノバクテリア生物時計の位相同調現象解明に向けたKaiCの制御機構解析
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16J08362
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大山 克明 立命館大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 概日時計 / シアノバクテリア / Kaiタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
試験管の中で再構成可能なシアノバクテリアの概日時計は中心振動体であるKaiCのリン酸化状態の往来が約24時間周期で変動する。このKaiCのリン酸化状態の変動が周期的に起こる分子メカニズムは不明な点が多い。本研究は、この分子メカニズム解明を目指して、KaiCを構成する2つのリング構造に着目して、KaiCのリン酸化と構造の変化について解析した。 KaiCは2つのリング構造(CIリングとCIIリング)を構成する六量体タンパク質である。KaiCのCIリングとCIIリングを個別に精製し、リン酸化状態およびゲル濾過クロマトグラフィーによるオリゴマー構造を解析した。その結果、KaiCの432番目に相当するスレオニン残基がリン酸化されることによって六量体のCIIリングが単量体に解離することが示された。一方で、CIリングは常に六量体を保持することが明らかとなった。 KaiCは11℃以下の温度ではリン酸化状態が高くなり、11℃以上の温度ではリン酸化状態は低下する。そのため、CIIリングもKaiCと同様に温度によるリン酸化状態の変化が期待される。そこで、精製したCIIリングの4℃から30℃の間でのリン酸化状態を解析した。その結果、調べた範囲の温度においてCIIリングのリン酸化状態が上昇した。このことから、CIIリングには「脱リン酸化活性がない」もしくは「脱リン酸化活性が抑えられている」と考えられる。すなわち、CIリングの存在によってKaiCは脱リン酸化活性が発揮できることが示唆された。 これらの結果から、KaiCは432番目のスレオニンのリン酸化によってCIIリング構造が緩み、CIリングが六量体を保持することでCIIリングの物理的な解離を抑制していることが推察された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)