2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16J08811
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西田 勇樹 立命館大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 洞察問題解決 / 潜在認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,洞察問題解決において「見えない」よう潜在的に呈示された手がかりが解決パフォーマンスにどのように影響するのか検討する。この方法によって,洞察の潜在的な心的プロセス解明しようとする研究である。 平成28年度の成果は,1. 洞察問題解決における潜在性に関する論文執筆と,2.洞察問題解決における意識的なモニタリングによる潜在的手がかりの活用可能性に関する実験実施であった。 1. 論文は,洞察問題解決において外から潜在的に得られた手がかりがかえって解決を損なわせるという結果を報告した。この結果は,これまで前例がなく,まったく新しい現象であったことから,学術的価値は高いといえる。またこの研究は,交付申請書に記載された研究計画の一部である。本論文は,当該年度において,すでに投稿され,レビュアーによる査読が帰ってきている。査読に対する返答を終え,4月現在はレビュアーからの返事待ちである。 2. 「ヒントがじつは映像の中にあった」と教示することで,意識的なモニタリングがはたらき,外から潜在的に得られた手がかりの活用を促すのか,検討する実験をおこなった。実験結果は予想とは違う結果であった。しかし,観点を変えて分析を行うことによって,意識的なモニタリングが人間の潜在的なプロセスにまで作用する可能性を示した。次に,実験の改善点を検討し,イタリアのミラノ・ビコッカ大学の研究者と協力して実験を実施するに至った。イタリアでの実験においても予想通りの結果とはならなかった。これらの実験結果に対して,仮説の修正が課題となった。課題は,次年度に残すこととなった。研究成果は,学会のポスター発表で報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載された実験の結果をまとめ,学術雑誌に論文を提出した。しかし,次に行われた実験結果は予測に反するため,仮説を修正し,新たな実験を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1. あらたな仮説生成,2. 1.に対する新たな実験,3. 展望論文の執筆,を今後の研究の推進方策とする。 1. 当該年度で実施された実験は,予想通りにならなかった。そのため,仮説を修正する必要がある。あらたな仮説を立て,実験手続きを修正したうえで,2. 次の実験を進める。 次に,3. 現在執筆中の展望論文を完成させる。展望論文は,現在,査読つき雑誌に投稿予定である。
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Research Products
(4 results)