2017 Fiscal Year Annual Research Report
GPUを用いた大規模深層学習環境の構築と創薬への応用
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16J09021
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安尾 信明 東京工業大学, 情報理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 機械学習 / バーチャルスクリーニング / 構造ベース創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大規模計算機環境におけるGPUを用いた深層学習環境の構築及び創薬における新規化合物の取得への応用に関する研究を行っている。平成28年度においては、新規化合物を取得するためのバーチャルスクリーニングにおいて、スクリーニング精度の向上を目的とし、ドッキングシミュレーションと機械学習を組み合わせた新規手法を開発することとした。平成28年度においては、性能評価を行うための蛋白質および化合物を含むベンチマークデータセットDUD-Eを用いた評価環境を整備し、その予備的な予測精度評価を行った。その結果、ドッキングシミュレーションから得られる結果のうち、その実験的活性とドッキングのスコアが一致しないケースが多く、これを解消することでバーチャルスクリーニングの精度が向上する可能性があることを示した。平成29年度では、機械学習を用いて本来結合しない化合物が高いドッキングスコアとなっている場合を取り除く手法について追加の検討を行い、東京工業大学のスーパーコンピュータであるTSUBAME3上でランダムフォレストを用いて一定の精度を達成した。また、ランダムフォレストのモデルの特徴である特徴量の寄与を求められることを用いて、結合の判別に重要な相互作用を特定する手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、GPUを用いた大規模深層学習環境の構築及び創薬における新規化合物の取得への応用に関する研究を行っている。機械学習を用いる既存手法では相互作用の有無について学習を行っていたところを、本課題中で提案した手法では相互作用エネルギーを用いて学習する点に新規性がある。この手法を用いてサポートベクターマシン(SVM)とランダムフォレストで学習を行い精度を検証したところ、単純なシミュレーションの結果よりも精度が高く、またランダムフォレストの方がSVMよりも精度が高いことを確認した。また、ランダムフォレストの学習モデルから得られる特徴量の寄与を用いて結果の解釈を行うことも可能であった。これらのことから、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度では、 1. 前年度に開発した新規手法であるランダムフォレストを用いたバーチャルスクリーニング手法の論文化 2. 実際の創薬標的と化合物ライブラリーを用いた試験 3. 前年度の知見から得られた手法である、畳み込みニューラルネットワークを用いたバーチャルスクリーニング手法の検討と実装、評価 を行う。
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[Presentation] インシリコスクリーニング技術を用いた抗シャーガス病の治療薬探索2017
Author(s)
吉野 龍ノ介 , 安尾 信明 , 萩原 陽介 , 石田 貴士 , 稲岡 健 , 天野 靖士 , 立石 幸寛 , 大野 一樹 , 生田目 一寿 , 新美 達也 , 折田 正弥 , 北 潔 , 秋山 泰 , 関嶋 政和
Organizer
第52回情報処理学会バイオ情報学研究会
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