2018 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗原/MHCクラスⅡ分子複合体の制御による自己免疫疾患発症機構の解析
Project/Area Number |
16J09355
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宍戸 達也 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
|
Keywords | MHC / CD74 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫疾患の発症原因は依然として不明でるが、ほとんどの自己免疫疾患において、自己抗体の産生が認められられない。近年、我々はミスフォールド蛋白質がMHCクラスII分子と結合し、細胞外へと輸送するという機能を見出した。加えて、ミスフォールド蛋白質/MHCクラスII分子複合体が自己免疫疾患で産生されている自己抗体の標的分子であるということを明らかにしてきが、その詳細な誘導機構については明らかになっていない。その一方、Invariant chain (以下Ii)がMHCクラスII分子のpeptide-binding grooveの蓋をする役割を担っていることにより、ミスフォールド蛋白質/MHCクラスII分子複合体の形成を防ぐ役割を持つことが知られている。そこで我々は、自己抗体の標的分子の産生がIiによって制御されている可能性を考えた。それを証明するために薬剤誘導型のIi欠損マウスを作製した。作製した誘導型Ii欠損マウスの解析から、Iiの欠損により抗DNA抗体や抗核抗体、抗ヒストン抗体等の自己抗体が産生されることを見出した。これらの自己抗体は、自己免疫疾患である全身性エリテマトーデスにおいて産生される自己抗体である。そこで、全身性エリテマトーデスにおいてよく見られる腎臓の糸球体における免疫複合体の沈着を調べた。その結果、薬剤誘導型のIi欠損マウスにおいて腎臓の糸球体に補体C1qの沈着が見られた。これまでにIiが自己抗体の産生機構を制御していることは知られておらず、新しい自己免疫疾患の誘導機構の解明、およびその制御につながる有益な結果であると考えられる。このように、Iiの発現減少は自己抗体の産生を引き起こし、自己免疫疾患発症に関与することが示唆された。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)