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2016 Fiscal Year Annual Research Report

Research on the molecular mechanism of transcytosis in M cells

Research Project

Project/Area Number 16J09413
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

小林 伸英  慶應義塾大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2016-04-22 – 2019-03-31
KeywordsM細胞 / 粘膜免疫 / 免疫学 / トランスサイトーシス / CRISPR/Cas9
Outline of Annual Research Achievements

本研究は腸管パイエル板に存在する特殊上皮細胞であるM細胞による抗原トランスサイトーシスの分子機構を明らかにすることを目的としている。
我々の研究グループの過去の研究でM細胞特異的に発現する遺伝子X(仮)が同定された。転写産物のドメイン構造からリン脂質に結合する事が予測され、トランスサイトーシスへの関与が疑われる。しかしながら、この遺伝子に関する報告は極めて少なく、その生理的機能は未知である。本年度は本遺伝子の発現を単離したM細胞で確認すると共に、この遺伝子の生理学的な機能を解明するため、CRISPR/Cas9システムを用いて遺伝子欠損マウスを樹立した。
メンブレン上に単層培養された上皮細胞を用いる事で、頂端側から基底膜側への物質輸送を容易に測定する事ができる。Caco-2などの細胞株を用いてM細胞様の細胞を分化させる系が報告されているが、生理的なM細胞とは性質が異なっている。そこで、マウス小腸から樹立したオルガノイドを単層培養し、M細胞に分化させる系の確立を試みた。遺伝子欠損マウスから樹立したオルガノイドを用いることで、トランスサイトーシスにおける分子機能を明らかにできると考えれる。本年度は安定的にオルガノイドを作製する系を確立し、部分的ではあるが単層を形成する事に成功した。
また、過去の研究で転写因子Y(仮)がM細胞に特異的に発現することが見出され、その分化・成熟に関与していると考えられる。そこで、本分子に対してクロマチン免疫沈降(ChIP)を行い、標的遺伝子の同定を試みた。その結果、文献情報から標的と予想される複数の遺伝子についてChIP-qPCRで特異的な増幅を確認した。現在、次世代シークエンサーによる標的遺伝子の網羅的な解析を行うための条件検討を行なっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度はゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9システムを習得し、M細胞特異的に発現する遺伝子欠損マウスと樹立することができた。現在は繁殖に取り組んでおり、生理学的な解析に向けたコロニーが得られている。また、現在はM細胞特異的なタンパク質の哺乳類発現ベクターや精製用発現ベクターの構築に取り組んでおり、分子機能の解析に向けた実験材料も揃いつつある。このように、分子機能の解析から個体レベルの解析まで行うという当初の計画に向けて概ね順調に進んでいると言える。

Strategy for Future Research Activity

本年度に樹立した遺伝子欠損マウスを用いて、M細胞への影響、特に蛍光ビーズや細菌の取り込み能に影響が生じるか解析を行う。また、培養細胞への強制発現系や精製タンパク質などを用い、分子レベルでの機能を解析する。さらに、オルガノイド単層培養系の確立を試み、in vitroにおけるトランスサイトーシス解析を目指す。

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Published: 2018-01-16  

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