2016 Fiscal Year Annual Research Report
小型衛星軌道投入に向けたビーム推進機の高推力化・安定飛行技術の確立
Project/Area Number |
16J09910
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 聖幸 東北大学, 工学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | ビーム推進 / 衝撃波伝搬 / プラズマ電磁波相互作用 / 自己組織化 / 電子サイクロトロン共鳴 / プラズマ閉じ込め / 非平衡プラズマ物理 / 数値モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ビーム推進機の安定飛行性能,推進性能を改善する為の新技術確立を目指す.電子サイクロトロン共鳴条件を満たす外部磁場をロケットノズル内部に印加する事で推力改善を図り,更に外部磁場印加分布を制御する事で非対称衝撃波を誘起し,飛行機体姿勢の動的制御を達成する. 今年度は,外部磁場印加時の多次元的な電離構造を再現すべく,電子とイオンで成る 2 流体プラズマと入射電磁場の相互作用を記述出来る数値モデルを開発した.局所電界近似をほどこした 2 流体プラズマモデルと 1 次元運動論的粒子計算とを比較したところ,電子サイクロトロン共鳴を生じない条件では,大気圧から 1/100 気圧に渡って粒子計算と流体計算とで電離構造が一致した.1/100 気圧までは電子温度緩和時間がビーム照射プラズマ中の特性時間よりも短い為に局所電界近似が成立するが,更なる低圧では,電子温度緩和時間がプラズマ中の特性時間よりも長くなる為,非局在化するエネルギー輸送を考慮する必要がある.ビーム誘起放電において,局所電界近似がどの圧力まで適用可能かは世界的にも調査されていない為,本研究は非平衡プラズマ物理のモデル化において有用な知見を与えたと言える.一方で,電子サイクロトロン共鳴条件を満たす場合は,共鳴加熱によって生ずる非マクスウェル的高速電子が電離波面伝搬を加速化し,流体モデルと粒子モデルとでコンシステントな結果を得られなかった.非マクスウェル的挙動を組み込む事は今後の課題である.また,多次元圧縮性流体計算を行い,ノズル内部に印加する磁場形状を変化させて姿勢制御に必要な横力と回転モーメントを獲得可能かを調べた.印加磁場分布を制御することで横力と回転モーメントが分離可能である事を見出した.力積の自由度を減らしつつ姿勢制御を行う手法は今まで存在しておらず,ビーム推進の安定飛行において重要な研究であると言える.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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