2018 Fiscal Year Annual Research Report
自励振動ポリマーブラシ表面を用いた新規動的細胞足場培養システムの創製
Project/Area Number |
16J10174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 健太 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | ポリマーブラシ / 化学振動反応 / 表面開始型原子移動ラジカル重合 / ホログラフィック顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、膜厚・電荷・ぬれ性などが自律的に変化する高分子修飾表面(自励振動ポリマーブラシ)を設計し、従来の刺激応答性細胞足場とは一線を画す新規動的細胞足場の創製を目的として研究を遂行してきた。これまでに、微細なパターン構造を導入することによって高分子修飾表面の動的な挙動を制御し、また適切な表面設計を施すことによって、高分子鎖に固定された金属触媒の価数に応じて平衡状態の膜厚が異なることを見出した。 本年度は、化学振動反応(ベローソフ・ジャボチンスキー(BZ)反応)中、金属触媒の価数が周期的に変化する際の膜厚振動の観測を目指した。膜厚振動の実現にあたって、まず重合開始剤および構造類似の非開始剤をガラス基板に共固定し、異なる修飾密度の自励振動ポリマーブラシを調製した。リアルタイムかつ非侵襲的に物質の表面構造が観察可能なホログラフィック顕微鏡を用いてBZ反応中の膜厚変化を観測した。その結果、修飾密度が中間の自励振動ポリマーブラシにおいて周期的な膜厚振動を観測した。得られた振動振幅は100-150 nm、周期は20 sであった。自励振動高分子鎖を多点で基板に固定した従来の表面と比較し、本研究では振幅が10倍増大し、周期が3倍短くなった。(論文投稿準備中) さらに別の試みとして、振動現象の安定かつ長寿命化を目指し、自励振動ポリマーブラシを多孔質ガラス基板に修飾し、その動的な挙動を解析した。平板と比較し表面積が増大したことで効率的に金属触媒を導入することが可能であった。また、中間生成物を基板に内包し、外部への拡散に伴う基質濃度の低下を抑制することで9時間以上のBZ反応の生起に成功した。(論文投稿中) 以上より、最終年度である本年度は自励振動ポリマーブラシ上の高分子鎖の構造転移を可視化し、また動的な挙動の長時間安定化を達成した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Adsorption-Desorption Control of Fibronectin in Real Time at the Liquid/Polymer Interface on a Quartz Crystal Microbalance by Thermoresponsivity2019
Author(s)
Jiatu Li, Taisei Kaku, Yuki Tokura, Ko Matsukawa, Kenta Homma, Taihei Nishimoto, Yuki Hiruta, Aya Mizutani Akimoto, Kenichi Nagase, Hideko Kanazawa, Seimei Shiratori
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Journal Title
Biomacromolecules
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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