2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16J10484
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村岡 恒輝 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | ゼオライト / マテリアルズ・インフォマティクス / NMR / 計算幾化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、本研究では、ゼオライトの計算機支援合成を目指している。ゼオライトとは、結晶性多孔質アルミノシリケートの総称で、触媒、イオン交換剤、吸着剤としての応用例がある。多くの場合実験による試行錯誤に頼る他ない材料合成を、計算機から得られる知見を活用することで加速するという方針で、ゼオライトの重要な因子である「結晶構造、化学組成、原子位置」に注目した研究を行っている。 本年度は、特に難しく重要な問題であるゼオライトのAl原子位置の制御に取り組んだ。第一に、有機物を用いずに合成したゼオライトのAl原子位置の研究に取り組んだ。NMRと理論計算により、ゼオライトのAl原子位置が、エネルギーが低い分布に偏在していることを示すことができた[Angewandte Chemie International Edition 2017]。第二に、これを利用したゼオライトのAl原子位置制御に取り組んだ。有機物を用いることで、ゼオライトー有機物複合体の安定性をコントロールすることで、Al原子位置を変化させることができることを理論計算やNMR分析を駆使することで示した[Angewandte Chemie International Edition 2018]。 更に、階層的に成長するゼオライト結晶の有機物の位置を特定した[The Journal of Physical Chemistry Letters 2018]。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ゼオライトの原子位置の制御という、ゼオライト合成における最大の問題に対し、計算機化学を用いたアプローチが有効であるということを示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
理論計算だけではなく、機械学習などの統計的手法により重きをおいた計算機支援合成を行う。 研究を遂行する上での問題点は特にない。
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