2018 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスにおける複製忠実度を基盤としたウイルス集団の生存戦略の解明
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16J10490
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
森 幸太郎 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 複製忠実度 / インフルエンザウイルスポリメラーゼ / 変異蓄積頻度 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、インフルエンザウイルスポリメラーゼにおいて複製忠実度に影響を及ぼすアミノ酸残基のスクリーニングを行った。その結果、ウイルスポリメラーゼサブユニットの1つであるPB1上の44番目のアミノ酸がNからDに変異した株(PB1-N44D)が新規に得られた。PB1-N44Dのポリメラーゼ活性をルシフェラーゼアッセイにて調べたところ、野生型のポリメラーゼと同等の活性を示した。野生株、および変異株の感染細胞からウイルスゲノムを精製し、第8分節のゲノム上の41~291番目の領域のアンプリコンを作製し、次世代シーケンサーにて変異蓄積頻度を比較したところ、PB1-N44D変異株は野生株と比べて変異を生じにくいことが明らかとなった。 PB1-N44D変異株の複製忠実度が変化した原因が、宿主因子や他のウイルス因子との相互作用に起因するのか、あるいは変異体のウイルスポリメラーゼ自身に起因するかを明らかにするため、野生株およびPB1-N44D変異株のウイルスポリメラーゼをウイルス粒子から精製し、in vitroによる複製忠実度の比較実験を行った。その結果、PB1-N44Dは野生型と比較して変異を生じにくい傾向がわずかに観察されたものの、有意な差ではなかった。このことから、PB1-N44D変異株は感染細胞中の宿主因子、あるいは自身のウイルス因子と強調して複製忠実度を向上させていることが推測された。インフルエンザウイルスのゲノム複製は宿主の核内で行われる。今後は、宿主細胞の核抽出液を精製し、in vitroによる複製忠実度の比較実験系に加えていくことで、PB1-N44Dと協調して複製忠実度の向上に関与する宿主因子を探索する。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
http://www.bikaken.or.jp/
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