2018 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサンの動的特性が生み出す高性能・高機能架橋材料の創成
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16J10667
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 隼 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | ロタキサン / 架橋 / 架橋高分子 / エラストマー / 強靭化 / 熱可塑性エラストマー / ポリウレタン |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、ロタキサン構造を利用した架橋高分子の強靭化を目指した。 具体的には以下の研究項目について検討した。(1) 「[3]ロタキサン架橋剤の合成と得られるロタキサン架橋高分子(RCP)の物性評価」および 昨年度に引き続き(2) 「ロタキサン含有ポリウレタンの合成と物性評価」ついて検討した。 1) これまでは、輪成分と軸成分にそれぞれビニル基を有する2官能の[2]ロタキサン架橋剤を用いてきた。その中で、ロタキサン架橋による強靭化は、輪成分の並進運動よりも、インターロック構造に起因する回転運動やフリッピングの方が大きな影響を与える可能性が示唆された。そこでRCPのさらなる強靭化を指向し、空間結合数を増やした1つの軸成分とビニル基を有する2つの輪成分からなる[3]ロタキサン架橋剤を新たに設計・合成し、得られたRCPの力学物性について検討した。[3]ロタキサン架橋剤より得られたRCPの破断エネルギーは[2]ロタキサン架橋より得られたRCPの2.5倍と、より効果的に強靭化できることが明らかとなった。 2) セグメント化ポウレタン(SPU)は、代表的熱可塑性エラストマーであり、これまでもロタキサン構造をSPUに導入した例が報告されているが、その構造に起因した力学特性の向上は未だ達成されていない。そこで我々は、ロタキサン構造の効果を明らかにする目的で、SPUへのロタキサン構造の導入とその力学物性についての検討を行った。 RCPほど顕著ではないものの、SPUにおいてもロタキサン構造を導入することで、強靭化することが明らかとなった。また、サイクル引張試験も行ったところ、ロタキサンを導入したSPUは、ヒステリシスロスが小さいことも分かり、ロタキサン構造は応力分散機構としてはたらいていることが示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)