2018 Fiscal Year Annual Research Report
脳組織内精密ターゲティングを目指した薬物送達キャリアの開発
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16J10734
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 真緒 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 薬物送達システム / 血液脳関門 / ポリイオンコンプレックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血液脳関門(BBB)を効率よく突破し、かつ脳組織内の標的細胞・部位選択的に薬物送達可能なキャリア基盤を構築することである。平成30年度は【1】酵素補充療法に応用可能な中空粒子型キャリア基盤の開発、【2】モデル薬剤としてmRNAを搭載したキャリアの構造最適化、及び【3】リガンド搭載粒子のin vivoでの物性評価を試みた。 【1】これまで我々のグループで開発してきたポリイオンコンプレックス型ベシクル(PICsome)は、その内水層に酵素を内包させ反応場として利用することが可能であるため、酵素補充療法への応用が期待されている。今回、上記のPICsome膜内に多数の水素結合ネットワークを形成させることでマウス血中を含む生態環境での安定性を格段に向上させることに成功した。この結果は世界最大の化学系学術団体であるAmerican Chemical Societyが発刊するBiomacromoleculesに掲載された。 【2】昨年度に開発したmRNA搭載粒子の安定性をさらに向上させるため、構成要素であるブロック共重合体の再設計を行った。具体的には、コアの保護機能を向上させるための外殻となるポリエチレングリコールの分子量の増大やコアの疎水性相互作用を増大させるためのポリアミノ酸側鎖の延長を試みた。これらの新規に合成したブロック共重合体を用いた場合にもmRNAを搭載した単分散のナノ粒子が形成されることがわかった。これらの粒子の物性・機能評価の結果をまとめ、学術雑誌に投稿予定である。 【3】昨年度までに調製していたリガンドを搭載した粒子のin vivoでの物性評価を行ったところ、疎水性の高いリガンドについて血中滞留性や脳への集積性に対する影響が認められた。そのため、平成28年度に開発した還元環境応答性基盤との組み合わせによる粒子再設計とその機能評価を継続していく予定である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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